オーバーステイ状態での結婚手続きは？

オーバーステイでも結婚できる？日本で合法的に滞在するための道筋

オーバーステイの状態でも、日本で結婚手続きを行うことは可能です。しかし、結婚したからといって自動的に在留資格が得られるわけではありません。むしろ、オーバーステイという違反状態にあるため、手続きは複雑になり、厳しい審査に直面することになります。この記事では、オーバーステイ状態での結婚手続きと、その後の在留特別許可申請について詳しく解説します。

まず、結婚手続き自体は日本人と外国人、どちらがオーバーステイ状態であっても可能です。必要な書類を揃え、居住地の市区町村役場に婚姻届を提出することで、法的に結婚が成立します。ただし、オーバーステイであることを隠したり、虚偽の申告をすることは絶対に避けなければなりません。発覚した場合、さらに厳しい状況に陥る可能性があります。

結婚が成立した後、重要なのは在留特別許可の申請です。これは、本来は退去強制対象となるオーバーステイ者が、特別な事情を考慮されて日本に滞在することを許可してもらうための制度です。結婚はその「特別な事情」の一つとなり得ますが、許可が下りるかどうかは個々の状況によって大きく異なります。

入国管理局は、以下の点を総合的に判断して許可の可否を決定します。

• オーバーステイの期間と理由: 短期間で、やむを得ない事情によるオーバーステイであれば、許可される可能性が高くなります。逆に、長期間のオーバーステイや、不法就労を目的としたオーバーステイは、許可が難しくなります。
• 結婚の真偽: 偽装結婚ではないか、しっかりと確認されます。結婚の経緯、夫婦間の愛情の有無、経済的な基盤など、様々な角度から審査されます。婚姻届提出後も、継続的に夫婦として生活している証拠を示すことが重要になります。
• 日本人の配偶者の状況: 配偶者の収入や家族構成、犯罪歴なども審査対象となります。配偶者が経済的に安定しており、扶養能力があることは、許可を得る上で有利に働きます。
• 過去の違反歴: 過去に他の法律違反や入管法違反を犯している場合、許可が下りる可能性は低くなります。
• 日本への貢献度: 社会貢献活動への参加や、地域社会への貢献なども考慮される場合があります。

これらの審査項目をクリアするためには、綿密な準備と適切な対応が必要です。入国管理局への提出書類は多岐にわたり、内容も複雑です。また、面接では、結婚の経緯や今後の生活設計などについて詳細な質問を受けます。日本語が不自由な場合は、通訳を依頼することも可能です。

自分だけで手続きを進めることは非常に困難です。専門家である行政書士や弁護士に相談することを強くおすすめします。専門家は、個々の状況に合わせた適切なアドバイスや書類作成のサポート、面接対策などを提供してくれます。適切なサポートを受けることで、許可取得の可能性を高めることができます。

最後に、オーバーステイは重大な法令違反であることを認識しておく必要があります。結婚は、在留資格を得るための「抜け道」ではありません。真摯な気持ちで結婚し、誠実に手続きを進めることが重要です。そして、専門家のサポートを受けながら、合法的な在留資格取得を目指しましょう。

この情報は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個々の状況に応じた適切な対応については、必ず専門家にご相談ください。