結婚式でローンを組む割合は？

結婚式費用、夢を叶えるための高額な投資――。華やかな挙式、思い出に残る披露宴、そしてその後の新生活のスタートを彩る様々なアイテム。これらの費用を賄うために、結婚を機にローンを組むカップルはどの程度いるのでしょうか？ 冒頭にも触れましたが、一般的な認識では、ブライダルローンを利用するカップルは少数派です。しかし、その実態は数字だけでは測りきれない複雑さを持っています。

多くの調査によると、ブライダルローンの利用率は全体の2%程度とされています。この数字は、一見すると非常に低いように見えます。確かに、結婚式費用全体をローンに頼るカップルは少ないでしょう。しかし、この数字の裏には、様々な事情が隠されている可能性があります。

まず、この2%という数字は、あくまで「ブライダルローン」という商品を利用したカップルの割合を示している点に注意が必要です。実際には、結婚式費用の一部をクレジットカードの分割払いを利用したり、親族からの借金に頼ったりするカップルも少なくありません。これらの方法を含めれば、結婚式費用に何らかの形で借金を利用するカップルの割合は、表面的な数字よりもはるかに高い可能性があります。

では、なぜブライダルローンの利用率は低いのでしょうか？最も大きな要因は、金利負担への抵抗感です。結婚式は人生における一大イベントであり、一生の思い出として大切にしたいものです。しかし、その思い出づくりに多額の金利を支払うことに抵抗を感じるカップルは少なくありません。特に、新生活をスタートする直後には、住宅ローンや車のローンなど、様々な費用がかかるため、追加の金利負担は大きな負担となるでしょう。

さらに、ブライダルローンは比較的短期間の融資であるため、金利負担率が高くなる傾向があります。長期間の住宅ローンと比較すると、返済期間が短い分、毎月の返済額は大きくなります。そのため、返済計画をしっかり立てずにローンを組むと、毎月の生活費を圧迫し、新生活のスタートを不安定なものにしてしまうリスクも伴います。

また、結婚式の費用自体を圧縮しようと努力するカップルも多いことも、ブライダルローン利用率の低さに繋がっていると考えられます。近年は、少人数制の結婚式や、費用を抑えた簡素な結婚式を選ぶカップルが増加傾向にあります。これは、経済的な負担を軽減したいという意識の高まりを示しており、ローンに頼ることなく結婚式を実現しようとする姿勢の表れと言えるでしょう。

しかし、全ての人が費用を抑えられた結婚式を望んでいるわけではありません。理想の結婚式を挙げたい、しかし費用が足りない、というカップルもいるでしょう。そのようなカップルにとって、ブライダルローンは選択肢の一つとなり得ます。重要なのは、ローンの利用を検討する際には、金利や返済計画をしっかりと理解し、無理のない返済計画を立てることです。専門機関への相談や、複数の金融機関の比較検討を通じて、自分に最適なプランを選択することが大切です。

結論として、ブライダルローンの利用率が低いのは、金利負担への抵抗感や、費用を抑えた結婚式を選択するカップルの増加などが要因として考えられます。しかし、決してブライダルローンが不要な選択肢であるとは言い切れません。将来の経済状況を考慮し、無理のない範囲で計画的に利用することで、夢の結婚式を実現するための有効な手段となり得るのです。 重要なのは、ローンの利用を「手段」として捉え、人生における大きなイベントを成功させるための賢い選択を行うことです。