結婚式の前日キャンセルの祝儀の額は？

結婚式前日キャンセルの祝儀：状況別の判断と、新郎新婦への配慮

結婚式の招待状を受け取り、出席の返事をしたにも関わらず、どうしても都合がつかなくなり、前日にキャンセルしなければならない状況。誰しもが経験する可能性のある、非常に心苦しい事態です。特に、お祝い事である結婚式を直前にキャンセルするということは、新郎新婦に多大な迷惑をかけることになり、祝儀の金額をいくらにすべきか頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、結婚式前日キャンセル時の祝儀の金額は、一律に「〇〇円が正解」というものではありません。状況や、新郎新婦との関係性、そして何よりも「新郎新婦への配慮」が重要になります。

基本的な考え方：損害賠償の考え方と、お祝いの気持ち

結婚式は、会場の手配、料理の準備、引き出物の用意など、多くの準備が必要で、キャンセルによって新郎新婦に実質的な損害が発生します。そのため、祝儀の金額は、新郎新婦が被るであろう損害を補填するという「損害賠償」の考え方を基本とします。

しかし、結婚式はあくまでお祝い事。損害賠償という冷たい考え方だけでなく、「お祝いの気持ち」を込めることも大切です。新郎新婦との関係性を考慮し、失礼のない金額を包むようにしましょう。

状況別の祝儀の目安

一般的な目安として、以下の金額を参考に、ご自身の状況に合わせて判断してください。

• 結婚式の準備状況：
  • 料理や引き出物など、実質的な手配が完了している場合：本来出席予定だった祝儀と同額、またはそれ以上を包むのが望ましいでしょう。
  • 準備が一部しか完了していない場合：少なくとも半額程度は包むのがマナーです。
• キャンセル理由：
  • やむを得ない事情（急病、不幸など）：新郎新婦も事情を理解してくれる可能性が高いため、半額程度、または場合によっては辞退しても良いかもしれません。ただし、必ず丁重にお詫びの気持ちを伝えるようにしましょう。
  • 自己都合（体調不良以外）：新郎新婦に大きな迷惑をかけることになるため、本来出席予定だった祝儀と同額を包むのが適切です。
• 新郎新婦との関係性：
  • 親族や親友など、特に親しい間柄：上記の目安に加えて、お詫びの品を添えるなど、より丁寧な対応を心がけましょう。
  • 会社関係者など、そこまで親しい間柄ではない：上記目安を参考に、一般的なマナーに沿った金額を包むのが良いでしょう。

その他：配慮すべき点

• 早めの連絡：キャンセルが決まった時点で、できる限り早く新郎新婦に連絡しましょう。状況を丁寧に説明し、心からお詫びすることが大切です。
• ご祝儀袋：通常のご祝儀袋を使用し、表書きは「御祝」または「御見舞」とします。水引は、紅白の結び切りを使用するのが一般的です。
• 手紙：ご祝儀と一緒に、お詫びの手紙を添えましょう。手紙には、キャンセルの理由、お詫びの気持ち、そして結婚を祝う言葉を丁寧に綴ります。
• 後日のお祝い：結婚式後、落ち着いた頃に改めてお祝いの気持ちを伝えるのも良いでしょう。手土産を持参したり、食事に招待したりするなど、形にとらわれない方法で祝福することができます。

最も大切なこと：誠意を伝える

結婚式前日のキャンセルは、新郎新婦にとって大きな負担となることは間違いありません。しかし、誠意をもって対応することで、新郎新婦との関係を悪化させることなく、むしろより深めることも可能です。

金額だけでなく、あなたの言葉、態度、そして行動を通して、心からの祝福の気持ちを伝えるように心がけてください。それが、新郎新婦にとって何よりも嬉しい贈り物となるはずです。