配偶者特別控除でいくら税金が安くなる？

配偶者特別控除でいくら税金が安くなる？賢く活用するための徹底ガイド

共働き世帯にとって、税金は家計に大きく影響する重要な要素です。特に「配偶者特別控除」は、適切に活用すれば税負担を軽減し、家計の助けとなる制度です。しかし、控除額や適用条件を正しく理解していないと、思わぬ落とし穴にハマってしまう可能性も。この記事では、配偶者特別控除で実際にいくら税金が安くなるのか、具体例を交えながら分かりやすく解説し、賢く活用するためのポイントをご紹介します。

まず、配偶者特別控除の基本的な仕組みを確認しましょう。この控除は、納税者の配偶者の所得が一定額以下の場合に、納税者の所得から一定額を控除できる制度です。控除額は配偶者の所得に応じて変動し、最大で38万円となります。つまり、最大38万円分の所得に対して課税されなくなるため、所得税・住民税の負担が軽減されるのです。

具体的にどれくらい税金が安くなるかは、納税者の所得、配偶者の所得、その他適用される控除などによって異なります。例えば、納税者の年収が500万円で、配偶者の年収が103万円以下の場合、配偶者特別控除は38万円となり、所得税・住民税合わせて約7万円程度安くなります。

しかし、配偶者の年収が103万円を超えると、控除額は段階的に減少し、150万円を超えると控除は受けられなくなります。仮に配偶者の年収が140万円だった場合、控除額は約10万円となり、税金の軽減額も約2万円程度に減少します。

ここで注意すべきは、配偶者の収入が増えて控除額が減るだけでなく、配偶者自身の所得税・住民税の負担も増えるという点です。結果的に、世帯全体で見ると手取りが減ってしまう「逆転現象」が起こる可能性があります。

そのため、パート収入を増やしたいと考えている場合、安易に103万円、150万円という壁を越えるのではなく、配偶者特別控除による軽減額と、配偶者自身の税負担増加額を比較し、世帯全体の手取りが最大になるように収入を調整することが重要です。

さらに、配偶者特別控除以外にも、配偶者控除、扶養控除など、様々な控除制度が存在します。これらの制度との兼ね合いも考慮する必要があります。例えば、配偶者の年収が103万円を超えると配偶者特別控除の額は減少しますが、配偶者控除が適用される場合があります。どの控除が適用されるかは、配偶者の収入やその他の条件によって異なりますので、税務署や自治体に確認するか、税金計算ツールなどを利用して正確に把握することが大切です。

また、2024年10月からはインボイス制度が開始されます。配偶者が個人事業主で、配偶者特別控除を受けている場合、インボイス登録の有無によって、控除の適用条件に影響が出る可能性があります。事前に制度内容を理解し、必要に応じて対応策を講じる必要があります。

配偶者特別控除は、正しく活用すれば家計にとって大きなメリットとなります。しかし、条件や注意点などをしっかりと理解していないと、思わぬ損失を招く可能性もあります。この記事で紹介したポイントを参考に、ご自身の状況に合わせて最適な選択をしてください。より詳しい情報については、税務署や自治体、専門家などに相談することをお勧めします。賢く制度を活用し、家計の負担を軽減しましょう。