「おりました」の使い方は?
「おりました」は、「いる」の謙譲語「おる」に丁寧語の「ます」の過去形「ました」がついた言葉です。存在や状態の謙譲表現として、目上の人や顧客に対して、自分の行動や状態、または身内の行動などを丁寧に伝える際に用いられます。例として、「お待ちしておりました」や「担当しておりました」などがあります。
「おりました」の使い方:一歩踏み込んだ丁寧な表現
「おりました」は、「いる」の謙譲語である「おる」に丁寧語の「ます」の過去形「ました」が組み合わさった言葉です。単なる丁寧語ではなく、謙譲語の要素を含むため、相手への敬意をより深く表したい場合に適しています。しかし、そのニュアンスを理解せずに使用すると、不自然な印象を与えてしまう可能性もあります。そこで、具体的な使用例を通して、「おりました」の適切な使い方と、注意すべき点について掘り下げて解説します。
基本的な使い方:
「おりました」は主に、以下の状況で使用されます。
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自分の存在や状態を謙譲して伝える場合:
- 例: 「長らくお待ちしておりました。」 (顧客や目上の人に対して、待っていたことを丁寧に伝える)
- 例: 「以前、こちらの部署で担当しておりました。」 (自分の過去の職務経験を謙譲して伝える)
- 例: 「先日は、大変お世話におりました。」 (お世話になったことに対する感謝を丁寧に伝える)
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身内の行動や状態を謙譲して伝える場合:
- 例: 「息子は、現在、海外で留学しておりました。」 (息子の留学という事実を、相手に敬意を払いながら伝える)
- 例: 「父は、入院しておりましたが、おかげさまで退院いたしました。」 (父親の入院という情報を、相手への配慮を示しつつ伝える)
使用上の注意点:
- 過剰な使用を避ける: 「おりました」は丁寧な表現ですが、多用すると慇懃無礼な印象を与えてしまうことがあります。状況に応じて、「いました」や「させていただきました」などの表現と使い分けることが重要です。
- 相手の行動には使用しない: 謙譲語は、基本的に自分の行動や身内の行動に対して使用するものです。相手の行動に対して「おりました」を使用するのは誤りです。例えば、「お客様は、お待ちしておりました」のような使い方は不適切です。
- 場面を考慮する: 親しい間柄の人や、カジュアルな場面では、「おりました」は少し硬すぎる表現かもしれません。状況に応じて、より自然な言葉遣いを心がけましょう。
- 二重敬語に注意: 「おられる」などの尊敬語と組み合わせると、二重敬語となり、不適切な表現となります。例えば、「社長がいらっしゃっておられました」は誤りです。
「おりました」のニュアンス:
「おりました」は、単に過去の事実を伝えるだけでなく、その行動や状態に対して、相手への配慮や敬意を込めるニュアンスがあります。例えば、「お待ちしておりました」には、相手を待つ時間を与えてしまったことへの申し訳なさや、待っていたことへの喜びが含まれていると言えるでしょう。
まとめ:
「おりました」は、状況と相手に合わせた適切な使い方が求められる、奥深い表現です。謙譲語としての意味合いを理解し、過剰な使用を避け、場面に応じた使い分けをすることで、より洗練された日本語表現を身につけることができるでしょう。日々の会話や文章の中で意識的に使用し、そのニュアンスを掴むことで、「おりました」を自在に使いこなせるようになるはずです。
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