お休みいただくの正しい言い方は？

「お休みいただいております」…この言葉、ビジネスシーンでメールやメッセージなどでよく見かけますよね。しかし、実はこの表現、厳密には正しくない場合が多いのです。 「いただく」という謙譲語の使い方を誤解しているケースが多く見られます。 本稿では、休暇中の適切な表現について、様々な状況を踏まえながら詳しく解説していきます。

まず、問題となっている「お休みいただいております」について。これは、相手に対して「休みを頂戴しております」と丁寧に伝える意図で使われることが多いでしょう。しかし、「休み」というものは、自分自身で取得するものであり、会社や上司から「いただく」ものとは少しニュアンスが違います。 会社から「許可を得て」休暇を取っている、という表現であれば「いただいております」が適切な場面もありますが、単に休暇中であることを伝えるだけなら、より自然で正確な表現があります。

では、どのような表現が適切なのでしょうか？ 状況によって最適な表現は変わってきます。

1. フォーマルな場（上司や取引先への連絡など）：

• 「休暇を取っております」: 最もシンプルで正確な表現です。自分の意志で休暇を取得していることを明確に示せます。
• 「現在休暇中です」: 簡潔で、状況を端的に伝えられます。フォーマルな場でも問題ありません。
• 「〇〇日まで休暇をいただいております」: 休暇期間を明確に示したい場合に有効です。この場合の「いただいております」は、会社から許可を得ているという意味で適切に使用できます。しかし、単に「休暇中である」ことを伝える場合は、前述の表現の方がより自然です。
• 「不在にしております。〇〇日より業務を再開いたします。」: 不在期間と復帰日を明確に伝えることで、相手への配慮を示せます。特に、連絡の遅れが生じる可能性がある場合に効果的です。

2. ややインフォーマルな場（同僚への連絡など）：

• 「休んでます」: 親しい同僚間であれば、この表現で十分です。
• 「休暇中だよ」: さらに親しい間柄であれば、この様な表現も問題ありません。

3. 自動返信メールの場合:

自動返信メールでは、簡潔で正確な情報伝達が重要です。

• 「現在休暇中のため、ご返信が遅れる場合がございます。〇〇日以降にご連絡いたします。」
• 「現在休暇のため、メールの返信は〇〇日以降となります。」

重要なのは、状況に応じて適切な表現を選択することです。「いただく」という謙譲語は、相手への配慮を示すために有効な手段ですが、誤った使い方をしてしまうと、かえって失礼な印象を与えてしまう可能性があります。 言葉のニュアンスを理解し、相手に正確で分かりやすい情報を伝えることが大切です。

さらに、休暇の理由を伝える必要のある状況では、その理由も簡潔に添えることで、より丁寧な印象を与えられます。例えば、「○○の都合により、休暇をいただいております。」のように付け加えることも有効です。

「お休みいただいております」は、多くの場合、より適切な表現に置き換えることができます。 本稿を参考に、状況に合わせた適切な表現を選び、円滑なコミュニケーションを心がけましょう。 言葉遣いは、ビジネスシーンにおいて、あなたの印象を大きく左右する重要な要素です。 常に正しい日本語を使うことを意識することで、信頼関係を築き、より良いビジネス関係を築くことができるでしょう。