デバイスから削除するとどうなる？

デバイスを消去する前に知っておきたいこと：データ抹消後の世界とその備え

スマートフォンやタブレットを売却、譲渡、あるいは故障で手放す際、「デバイスを消去」という最終手段に迫られることがあります。まるでリセットボタンを押すかのように、デバイス内のデータを完全に消去するこの機能は、プライバシー保護の観点から非常に重要です。しかし、安易に実行してしまうと、後悔することになるかもしれません。この記事では、「デバイスを消去」によって何が起こるのか、そして消去前に何をすべきかについて詳しく解説します。

「デバイスを消去」で何が起こるのか？

デバイスを消去すると、端末は文字通り工場出荷時の状態に戻ります。具体的には、以下のようなデータが削除されます。

• 個人情報: 連絡先、カレンダー、メール、メッセージ履歴、通話履歴など、あなた個人を特定できる情報がすべて消去されます。
• インストールされたアプリ: Google Playストアからダウンロードしたアプリや、プリインストールされていたアプリもすべて削除されます。
• アカウント情報: Googleアカウントやその他のアカウント（SNS、銀行口座など）の情報が削除されます。
• 写真、動画、音楽: デバイス内に保存された写真や動画、音楽ファイルもすべて削除されます。
• 設定: Wi-Fiの設定、言語設定、壁紙、着信音など、デバイスの設定がすべて初期化されます。

つまり、デバイスは購入当初の、まっさらな状態に戻るのです。

「デバイスを消去」によって消去されないもの

注意すべき点として、以下のデータは消去されない可能性があります。

• SDカード内のデータ: SDカードに保存された写真や動画、音楽ファイルは、通常、デバイスを消去しても削除されません。SDカード内のデータも完全に消去したい場合は、別途フォーマットする必要があります。
• SIMカード内のデータ: SIMカードに保存された連絡先やSMSメッセージは、デバイスを消去しても削除されません。
• クラウド上にバックアップされたデータ: GoogleドライブやiCloudなどのクラウドサービスにバックアップされたデータは、デバイスを消去しても削除されません。ただし、デバイスからバックアップ設定を解除しておかないと、デバイスを初期設定した際に自動的に復元されてしまう可能性があります。

「デバイスを消去」する前に必ずやっておくべきこと

デバイスを消去する前に、以下の点を確認し、必要な措置を講じてください。

1. データのバックアップ: 写真、動画、連絡先など、必要なデータをクラウドストレージやパソコンなどにバックアップしましょう。Googleアカウントを利用している場合は、Googleドライブに自動的にバックアップされている可能性があるので、確認してみることをお勧めします。
2. アカウントのログアウト: GoogleアカウントやSNSなどのアカウントからログアウトしておきましょう。特に、銀行口座やクレジットカード情報を登録している場合は、必ずログアウトしておくことが重要です。
3. SIMカードとSDカードの取り外し: SIMカードとSDカードを取り外し、別の場所に保管しておきましょう。
4. 「デバイスを探す」機能の解除: Androidの「デバイスを探す」機能を有効にしている場合は、解除しておきましょう。解除しないと、譲渡後に相手がデバイスを使用できなくなる可能性があります。
5. デバイス暗号化の解除: デバイスが暗号化されている場合は、解除しておきましょう。解除しないと、デバイスを初期設定した際にパスワードの入力を求められることがあります。
6. 最終確認: 本当に消去しても問題ないか、もう一度確認しましょう。消去を実行すると、データは二度と戻ってきません。

「デバイスを消去」後の世界

デバイスを消去すると、まるで新しいデバイスを手にしたかのような気分になります。しかし、同時に、失ったデータや設定を思い出し、少し寂しい気持ちになるかもしれません。大切なのは、消去前にしっかりと準備をしておくことです。

デバイスを消去することは、単なる初期化ではなく、プライバシーを守るための重要なプロセスです。今回の情報を参考に、安全かつ確実なデータ抹消を実行し、安心して新しいデバイスへと移行してください。