新幹線のモーターは何ボルトですか？

新幹線のモータが使う高電圧

新幹線は、高速走行を可能にするために、独自の電力システムを採用しています。その重要な要素の一つが、25,000ボルトの高電圧モータです。

高電圧の利点

従来の電車のモータは、600～1,500ボルト程度の電圧を使用しています。一方、新幹線では25,000ボルトという非常に高い電圧を使用することで、以下の利点を得ています。

• 高い出力： 高電圧は、モータに流す電流を増やし、より高い出力を発生させることができます。
• 高速化： 高 출력によって、列車をより高速で加速・減速することができます。
• 効率の向上： 高電圧を使用することで、電流が小さくなるため、損失が軽減され、効率が向上します。

25,000ボルトの電源システム

新幹線の高電圧モータは、25,000ボルトの架空電車線路から電力を供給されています。この電圧は、変電所から送電され、沿線の鉄塔に設置された変圧器で降圧されてパンタグラフに供給されます。

モータの構造

新幹線のモータは、複数の電機子と界磁コイルで構成されています。電機子には25,000ボルトの高電圧が供給され、界磁コイルには直流電圧が供給されます。電機子の電流と界磁コイルの磁界が相互作用することで、回転力が発生します。

冷却システム

高電圧モータは、動作中に大量の熱を発生します。この熱を効率的に放散するために、新幹線では以下のような冷却システムを採用しています。

• 強制空気冷却： モータ内にファンを設けて、外部から空気を吸い込んで冷却を行います。
• 水冷： 一部のモータでは、水冷システムを使用し、モータ内の水路に冷却水を循環させて熱を放散します。

信頼性の確保

高電圧モータは、極めて高い電圧を扱うため、信頼性の確保が不可欠です。新幹線では、以下のような対策を講じています。

• 二重絶縁： モータのコイルを二重に絶縁することで、電圧による絶縁破壊を防ぎます。
• 絶縁監視システム： 絶縁状態を常に監視し、異常を検知すると警報を発します。
• 定期的な点検・メンテナンス： 定期的にモータを点検・メンテナンスすることで、故障の早期発見と予防を行います。

高速化への貢献

新幹線の高電圧モータは、列車の高速化に大きく貢献しています。従来の列車では不可能だった時速200～300キロメートルの高速走行を可能にし、乗客の利便性と輸送効率の向上に役立っています。