車を1ヶ月乗らないとどうなる？

愛車を1ヶ月放置？ 知っておくべきリスクと対策

普段から車に乗っているあなたも、そうでないあなたも、ふと「1ヶ月くらい車を放置しても大丈夫かな？」と思ったことはありませんか？ 仕事や旅行、または単に車を使う必要がない期間など、理由は様々でしょう。しかし、たった1ヶ月でも、車にとっては意外なリスクが潜んでいるのです。

「車は動かしてこそ」とはよく言われますが、それは決して比喩ではありません。長期間放置された車は、思わぬ故障や性能低下につながる可能性があります。この記事では、1ヶ月間車を放置することで起こりうる具体的なリスクと、それを回避するための対策について詳しく解説します。

1ヶ月放置で起こりうる具体的なリスク

• バッテリー上がり: 車のバッテリーは、エンジン停止中も微量の電力を消費しています。特に最近の車は、セキュリティシステムやECU（電子制御ユニット）などが常に作動しているため、放置期間が長くなるとバッテリーが上がってしまう可能性が高まります。最悪の場合、バッテリー交換が必要になることも。
• タイヤの空気圧低下と偏摩耗: 車を動かさずに放置すると、タイヤの一部分に負荷がかかり続けます。これにより、タイヤの空気圧が低下し、接地面が変形してしまうことがあります。これが偏摩耗の原因となり、乗り心地の悪化やタイヤ寿命の短縮につながります。
• オイルの劣化とスラッジの発生: エンジンオイルは、エンジン内部を潤滑し、冷却する役割を果たしています。しかし、長期間放置すると、オイルが酸化し、粘度が増してスラッジ（ヘドロ状の物質）が発生しやすくなります。これがエンジン内部の部品を傷つけ、性能低下を引き起こす可能性があります。
• 燃料の劣化: ガソリンは、時間経過とともに劣化し、変質してしまいます。特に夏場は、燃料タンク内のガソリンが蒸発し、揮発成分が失われることで、始動性の悪化や燃費の低下につながることがあります。
• 錆の発生: 車の金属部分は、湿気や雨水にさらされると錆びてしまうことがあります。特に、ブレーキディスクやマフラーなどは、錆びやすい箇所です。錆が進行すると、部品の交換が必要になることも。
• ネズミや害虫の侵入: 車内は、ネズミや害虫にとって居心地の良い場所となることがあります。特に、食べ物の残りかすやゴミなどが車内に放置されていると、ネズミや害虫が侵入しやすくなります。配線をかじられたり、シートを汚されたりするなどの被害が発生する可能性があります。
• その他: ブレーキパッドの固着、冷却水の劣化、ワイパーゴムの劣化なども、長期間放置することで起こりうるリスクです。

放置する前にできる対策

• バッテリーのマイナス端子を外す: バッテリー上がりを防ぐ最も効果的な方法です。ただし、カーナビの設定などが初期化される可能性があるため、注意が必要です。
• タイヤの空気圧を高めに調整する: タイヤの偏摩耗を軽減するために、通常よりも少し高めに空気圧を調整しておきましょう。
• 満タンにするか、劣化防止剤を投入: 燃料の劣化を防ぐために、燃料タンクをできるだけ満タンにしておくか、燃料劣化防止剤を投入しましょう。
• 洗車と車内清掃を行う: 車体を綺麗に洗い、車内のゴミや食べ物の残りかすなどを徹底的に清掃しましょう。
• 防虫剤やネズミ忌避剤を設置する: 車内に防虫剤やネズミ忌避剤を設置し、害虫の侵入を防ぎましょう。
• 可能であれば、屋根付きの駐車場に保管する: 雨風や直射日光から車を守り、錆の発生を抑制することができます。

放置後の注意点

• エンジン始動前に点検を行う: エンジンオイルの量や冷却水の量などを確認し、異常がないか確認しましょう。
• エンジンをゆっくり暖機運転する: 長期間放置されたエンジンは、オイルが十分に回っていない可能性があります。ゆっくりと暖機運転を行い、エンジン全体にオイルを行き渡らせましょう。
• 異音や異臭がないか確認する: エンジン始動後、異音や異臭がないか注意深く確認しましょう。
• 最初の走行は安全運転を心がける: ブレーキの効き具合やタイヤの状態などを確認しながら、安全運転を心がけましょう。

定期的なメンテナンスの重要性

1ヶ月程度の放置であれば、上記の対策を講じることで、ほとんどのリスクを回避することができます。しかし、長期間放置する場合は、専門業者に依頼して、バッテリーの充電やオイル交換などのメンテナンスを行うことをおすすめします。愛車を大切にするためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。

愛車を放置する際には、これらのリスクと対策を理解し、万全の準備をしてから臨みましょう。そうすることで、再び愛車とのドライブを安心して楽しむことができます。