「That is to say」は口語として使われる?

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「That is to say」は、話し言葉で、言い淀んだり、不適切な表現を修正したり、より分かりやすく説明する際に自然に使われます。 言い換えや補足説明のニュアンスを持ち、「in other words」よりくだけた、より自然な言い回しとして機能します。 特に、言葉を選び直す場面で効果を発揮します。

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「That is to say」は口語として使われる? 答えは、イエスでもありノーでもあります。

確かに「That is to say」は堅苦しい響きがあり、論文や公式文書で見かけることが多いでしょう。しかし、だからといって口語で使われないわけではありません。むしろ、特定の状況下では、非常に自然で効果的な表現として会話に織り込まれます。

「That is to say」が口語で活躍するのは、主に以下の3つの場面です。

  1. 複雑な内容を分かりやすく説明する場合: 専門用語や抽象的な概念を、より平易な言葉で言い換えたい時に、「That is to say…」と前置きすることで、スムーズな説明が可能になります。例えば、医師が患者に病状を説明する際、「〇〇症候群、that is to say、簡単に言うと体の免疫システムが過剰に反応してしまう状態です」のように使えます。これは「言い換え」というより、「かみ砕いた説明」というニュアンスに近くなります。

  2. 言い間違いや不適切な表現を修正する場合: 咄嗟に言葉が出てこなかったり、誤解を招きそうな表現を使ってしまった際に、「That is to say…」を使って軌道修正できます。例えば、「彼は…えーと、that is to say、少し変わっている、というか、独特な感性の持ち主なんです」のように、最初の表現をより適切な言葉に置き換えることができます。この場合、「訂正」というよりは「言い直し」というニュアンスが強くなります。

  3. 相手に配慮しながら表現を和らげる場合: 直接的な表現を避け、より婉曲的に伝えたい時に、「That is to say…」が役立ちます。例えば、「君のプレゼンは…that is to say、もう少し改善の余地があると思う」のように、ストレートな批判を避け、柔らかく伝えることができます。これは「オブラートに包む」という日本的なコミュニケーションに近いと言えるでしょう。

一方で、「That is to say…」を多用すると、回りくどく、知的に見せようとしている印象を与えてしまう可能性があります。特にカジュアルな会話では、「つまり」「言い換えれば」「要するに」といった、より簡潔な表現の方が自然で好ましいでしょう。

また、「in other words」との比較において、「That is to say」の方がくだけているという記述を見かけますが、必ずしもそうとは言えません。「in other words」はより直接的で、同義語による言い換えを意味するのに対し、「That is to say」はより説明的で、補足やニュアンスの付加を含む場合があります。どちらがフォーマルかは文脈によって変化し、一概には言えません。

結論として、「That is to say」は、状況に応じて口語でも効果的に使える表現です。しかし、多用は避け、より自然で適切な表現を選ぶことが大切です。TPOを意識し、この表現が持つ微妙なニュアンスを理解することで、より円滑なコミュニケーションを実現できるでしょう。