天ぷらの呼び名にはどんなものがありますか？

天ぷらの多彩な呼び名

天ぷらは日本の伝統的な揚げ物で、さまざまな食材をサクサクの衣に包んで揚げたものです。その呼び名は、時代や地域によって変化してきました。

江戸時代

江戸時代には、天ぷらは主に魚介類を指し、「天ぷら」と呼ばれていました。一方、野菜は「揚げ物」や「精進揚げ」などと呼ばれていました。油の種類や衣にも違いがあり、関東では卵とごま油を使い、キツネ色に揚がります。関西では卵を使わず菜種油で揚げ、仕上がりが白くなる点も特徴です。

明治時代以降

明治時代になると、天ぷらという呼び名が野菜にも使われるようになりました。さらに、「穴子天」、「海老天」、「かき揚げ」など、食材別の呼び名も登場します。また、この頃から「天婦羅」という表記も使われるようになりました。

現代

現代では、「天ぷら」が総称として広く使われており、食材によってさまざまな呼び名があります。例えば：

• 魚介類：アナゴ、エビ、イカ、キスなど
• 野菜：レンコン、サツマイモ、カボチャ、ナスなど
• その他：かき揚げ（さまざまな具材を混ぜて揚げたもの）、かき餅（餅を揚げたもの）

地域差

天ぷらには地域差もあります。例えば、大阪では「カス」、「牛スジ」などの内臓系食材を使ったものが人気です。また、沖縄では「サーターアンダーギー」と呼ばれるボール状の天ぷらがあります。

豆知識

• 「天ぷら」という名前は、ポルトガルの「テンぷら（揚げ物）」が語源と言われています。
• 天ぷらと似た料理として、「さつま揚げ」、「がんもどき」などがあります。これらはすり身を揚げたもので、衣は使われていません。

まとめ

天ぷらの呼び名は、時代や地域によって変化し、多様性に富んでいます。総称として「天ぷら」または「天婦羅」が用いられ、食材によってさまざまな呼び分けがあります。また、地域によっては、特色のある独自の呼び名も存在します。