日本で1番人気がない県はどこですか？

日本で一番人気がない県は…本当に茨城県？ 魅力度ランキングの光と影

2021年の魅力度ランキングで、茨城県が最下位に返り咲き、メディアを賑わせました。7年連続最下位だった栃木県が41位に上昇し、茨城県がその座を奪還した形です。一方、北海道は13年連続で1位を堅持し、不動の人気を誇っています。このランキングは民間調査会社「ブランド総合研究所」が実施しており、毎年注目を集めています。しかし、このランキングだけで「一番人気がない県」を断定して良いのでしょうか？

ランキングの発表は、茨城県にとって大きな痛手となったことは間違いありません。県知事や県民からは落胆の声が上がり、ランキングの妥当性や評価方法について疑問を呈する声もあがりました。確かに、ランキングは知名度やイメージに大きく左右され、客観的な指標に基づいているとは言い難い側面があります。茨城県は、実は豊かな自然や歴史、美味しい農産物など、多くの魅力を秘めています。例えば、日本有数の広さを誇る霞ヶ浦や筑波山、袋田の滝といった自然景観、偕楽園や水戸城跡などの歴史的遺産、そしてメロンや納豆、あんこうといった特産品は全国的に有名です。

しかし、これらの魅力がランキングに十分反映されていないのは何故でしょうか？一つには、情報発信力の不足が挙げられます。魅力的な観光スポットや特産品があっても、それを効果的にPRしなければ、人々の目に触れる機会は限られてしまいます。他県と比べて、茨城県の観光PRは控えめであり、魅力が十分に伝わっていない可能性があります。また、首都圏に近接しているという地理的な要因も影響しているかもしれません。東京や近隣の県に魅力的な観光地が多く存在する中で、茨城県は埋もれてしまいやすい状況にあると言えるでしょう。

さらに、ランキングの持つ「最下位」というレッテルの影響力も無視できません。一度「最下位」の烙印を押されると、ネガティブなイメージが定着し、そこから脱却するのは容易ではありません。人々はランキングを参考に旅行先を選ぶ傾向があり、最下位県は敬遠されがちです。この悪循環を断ち切るためには、茨城県自身による積極的なイメージ戦略が不可欠です。

一方で、このランキングを逆手に取ったPR戦略も注目されています。自虐的な humor を交えながら、茨城県の魅力を発信する動きが見られます。例えば、「最下位だけど、魅力はたくさんあるよ！」といったメッセージを発信することで、逆に人々の興味を引くことができます。また、ランキングをきっかけに、県民の郷土愛が高まり、地域活性化への機運が高まるというプラスの側面もあります。

ランキングはあくまでも一つの指標であり、真の「魅力」を測るものではありません。茨城県に限らず、どの県にもそれぞれの魅力があり、ランキングでは測れない価値が存在します。大切なのは、ランキングの結果に一喜一憂するのではなく、自らの地域の魅力を再認識し、積極的に発信していくことです。茨城県には、まだ眠っている魅力がたくさんあります。ランキングをバネに、更なる魅力の発掘と発信に力を入れていくことで、「人気がない県」というレッテルを覆し、真の魅力を全国に知らしめることができるのではないでしょうか。