米国に現金を持って入国するにはいくら必要ですか？

米国への現金持ち込み：知っておくべきルールと注意点

米国への旅行を計画する際、現金をいくら持ち込むべきか、そしてその手続きについて正しく理解しておくことは非常に重要です。旅行中に不必要なトラブルを避けるため、現金の持ち込みに関する米国のルールをしっかりと把握しておきましょう。

基本ルール：1万ドルを超える現金は申告義務

最も重要なポイントは、1万ドル相当額を超える現金を米国に持ち込む場合、必ず税関申告が必要になるということです。ここでいう「現金」には、米ドルはもちろん、外国の通貨、小切手、旅行小切手、マネーオーダーなども含まれます。つまり、複数の通貨を合計して1万ドルを超える場合も申告が必要となります。

このルールは、テロ資金供与やマネーロンダリングといった犯罪行為を防止するために設けられています。申告を怠ると、現金が没収されたり、罰金が科せられたりする可能性があります。場合によっては、刑事訴追の対象となることもあります。

申告方法：フォーム4790の提出

1万ドルを超える現金を持ち込む場合は、米国税関・国境警備局（CBP）が提供する「FinCEN Form 4790 (Report of International Transportation of Currency or Monetary Instruments)」を提出する必要があります。このフォームは、空港や国境の税関で入手できますし、CBPのウェブサイトからダウンロードして事前に記入することも可能です。

フォームには、現金の金額、出所、使用目的、そして持ち主に関する情報を正確に記入する必要があります。嘘の申告や不正確な情報を提供すると、上記のような罰則を受ける可能性があります。

1万ドル以下の現金の場合

1万ドル以下の現金を持ち込む場合は、特に申告の必要はありません。しかし、税関職員から現金の所持理由や出所について質問されることがあります。正直に、そして明確に回答できるように準備しておきましょう。

旅行前に確認すべきこと

• 最新情報の確認: 税関のルールは変更される可能性があります。旅行前に必ずCBPのウェブサイトで最新情報を確認しましょう。
• 申告方法の確認: フォームの入手場所や記入方法など、申告手続きに関する詳細を事前に確認しておきましょう。
• 現金の出所を証明できる書類の準備: 現金の出所を証明できる書類（例：給与明細、預金通帳のコピー、ローンの契約書など）を用意しておくと、税関職員からの質問にスムーズに答えられます。
• 不安な場合は専門家へ相談: 現金の持ち込みに関して不安な点がある場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

現金を持ち込む以外の選択肢

多額の現金を持ち込むことにはリスクが伴います。可能であれば、クレジットカードやデビットカード、銀行振込などを利用することを検討しましょう。これらの方法であれば、現金を紛失したり盗まれたりする心配がありませんし、申告の手間も省けます。

まとめ

米国への現金持ち込みは、ルールを正しく理解し、必要な手続きをしっかりと行うことで、トラブルを避けることができます。1万ドルを超える現金を持ち込む場合は必ず申告し、事前に最新情報を確認することが重要です。不安な場合は専門家に相談し、安全で快適な旅行を実現しましょう。