タクシーの乗車拒否とはどういうことですか?

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タクシーが客の乗車依頼を、正当な理由なく拒否することを「乗車拒否」と言います。これは、停車して客を認知した後、乗車拒否したり、走行中に正当な理由なく運行を中断することを指します。 法律で禁止されており、乗客は損害賠償請求を行うことができます。 理由なく拒否された場合は、事業者への苦情や警察への通報を検討しましょう。

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タクシー乗車拒否:その実態と、泣き寝入りしないための対策

タクシーの乗車拒否。目的地までスムーズに移動したい私たちにとって、非常に不快で、場合によっては深刻な問題に発展する行為です。しかし、具体的にどのようなケースが乗車拒否にあたるのか、そして、もし実際に乗車拒否された場合、私たちはどのように対処すれば良いのでしょうか?

多くの方が「乗車拒否=悪質なタクシー運転手の行為」というイメージを持っているかもしれませんが、乗車拒否には様々なケースが存在します。そして、そのすべてが違法行為とは限りません。

乗車拒否とは何か? 定義と種類

タクシーの乗車拒否とは、簡単に言えば、「正当な理由なく」乗客の乗車を拒む行為です。この「正当な理由」の解釈が、時に曖昧で、トラブルの原因となります。

法律(道路運送法およびタクシー業務適正化特別措置法)では、タクシー事業者は「正当な理由なく」運送の引受けを拒んではならないと定められています。具体的には、以下の状況が乗車拒否に該当すると考えられます。

  • 明確な空車表示があるにも関わらず、乗車を拒否する: 空車表示(空車灯の点灯)は、「いつでもお客様を乗せることができます」という意思表示です。それにも関わらず、乗車を拒否することは、原則として違法行為にあたります。
  • 目的地を告げた後、乗車を拒否する: 「その方向には行きたくない」「道が混んでいる」といった理由で乗車を拒否することは、多くの場合、正当な理由とは認められません。
  • 運転手が個人的な理由で乗車を拒否する: 例えば、「タバコの臭いが嫌だ」「服装が気に入らない」といった、運転手の個人的な感情に基づいた乗車拒否は、明らかに違法行為です。

しかし、以下のような場合は、乗車拒否と見なされない場合があります。

  • 乗客が泥酔していて、他の乗客に迷惑をかける可能性がある場合: 安全な運行を確保するためには、やむを得ない措置と判断されることがあります。
  • 乗客が明らかに暴力的な言動をしている場合: 同様に、安全確保のため、乗車を拒否されることがあります。
  • 目的地がタクシーの運行区域外である場合: 長距離の場合、タクシー会社によって運行区域が定められていることがあります。

もし乗車拒否されたら? 泣き寝入りしないための対策

実際に乗車拒否されてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか? 泣き寝入りせずに、然るべき対応をとることが大切です。

  1. 冷静に状況を記録する: 運転手の名前(またはタクシーのナンバー)、乗車拒否された日時と場所、拒否された理由などをメモしておきましょう。スマートフォンの録音機能も有効です。
  2. タクシー会社に苦情を申し立てる: 記録した情報を元に、タクシー会社のお客様相談窓口に苦情を申し立てましょう。会社の連絡先は、タクシー車内に表示されています。
  3. 都道府県タクシー協会に相談する: タクシー会社への苦情だけでは解決しない場合、都道府県タクシー協会に相談することもできます。
  4. 警察に通報する: 明らかな違法行為であると判断した場合(例えば、暴言を吐かれたり、脅迫されたりした場合)は、迷わず警察に通報しましょう。

最後に

タクシーは、私たちの生活にとって重要な交通手段です。しかし、残念ながら、乗車拒否という問題は依然として存在します。乗車拒否に遭遇した場合、冷静に対応し、適切な機関に相談することで、泣き寝入りすることなく、問題解決に繋げることができます。そして、私たち一人ひとりが、タクシー利用における正しい知識を持ち、悪質な行為に対して声を上げることで、より快適で安全なタクシー利用環境を実現していくことができるでしょう。