小規模事業者持続化補助金の対象経費にパソコンは使えますか？

小規模事業者持続化補助金、パソコン購入は本当にNG？知っておくべき周辺事情と代替案

小規模事業者持続化補助金の申請を検討されている方にとって、「パソコン購入費は対象外」という事実は、計画を練り直す必要に迫られる、少々残念な情報かもしれません。しかし、諦める前に、もう少し詳しく制度の内容を理解することで、別の道が開ける可能性もあります。

確かに、小規模事業者持続化補助金は、原則として汎用性の高い物品、つまり「何にでも使えるもの」の購入には補助金が支給されません。パソコンはその代表格であり、事務作業、情報収集、娯楽など、幅広い用途に使用できるため、補助対象から外れているのです。

しかし、ここで重要なのは「事業の目的を達成するために、パソコンが不可欠であると明確に説明できるかどうか」という点です。例えば、以下のケースを考えてみましょう。

• ホームページ作成・運用事業の場合: 自社でホームページを作成・運用するために、デザインソフトやプログラミングソフトをインストールする必要があり、現在のパソコンではスペックが足りない。新しいパソコンを購入し、高画質の画像処理や動画編集を行い、魅力的なホームページを制作する必要性を具体的に説明できれば、補助対象となる可能性はゼロではありません。
• ECサイト構築・運営事業の場合: 商品の撮影、画像加工、顧客管理、受発注処理など、ECサイト運営に必要な業務を行うために、高性能なパソコンが必要不可欠であると説明できる場合。
• 専門的なソフトウェアを活用する事業の場合: 特定の専門分野（建築設計、映像制作、音楽制作など）で使用するソフトウェアが、特定のOSやスペックを要求し、現在のパソコンでは動作しないため、新しいパソコンが必要であると説明できる場合。

これらのケースでは、単に「パソコンが欲しい」というのではなく、「事業の目的を達成するために、特定の機能を持つパソコンがどうしても必要である」ということを、申請書類で明確かつ論理的に説明する必要があります。

ただし、注意点もいくつかあります。

1. 見積もりを複数取る: 同じスペックのパソコンでも、販売業者によって価格が大きく異なる場合があります。必ず複数の業者から見積もりを取り、最もコストパフォーマンスの良いものを選ぶようにしましょう。
2. 必要なスペックを明確にする: 高性能であればあるほど良い、というわけではありません。事業に必要なスペックを明確にし、過剰なスペックのパソコンを選ばないようにしましょう。
3. 代替案を検討する: 新しいパソコンの購入以外にも、既存のパソコンをアップグレードしたり、レンタルサービスを利用したりするなど、代替案を検討することも重要です。
4. 事務局への事前相談: 申請前に、管轄の事務局に相談してみることをお勧めします。具体的な事例を交えながら相談することで、採択の可能性を高めることができます。

もしパソコン購入が認められない場合でも、補助金を使って他の関連機器を揃えることを検討しましょう。例えば、モニター、プリンター、スキャナー、ソフトウェアなどが考えられます。

最後に、小規模事業者持続化補助金は、事業の持続的な発展を支援するための制度です。パソコン購入に固執するのではなく、補助金を有効活用し、事業の成長に繋がるような計画を立てることが大切です。

この情報が、補助金申請の参考になれば幸いです。