源泉徴収票は出さなくてもいいですか?

11 ビュー
2019年4月1日以降に提出する所得税確定申告書(2019年分以降)には、源泉徴収票の添付・提出が不要です。 これは税制改正によるもので、同時に源泉徴収票の保存義務も廃止されました。 従って、確定申告書への添付は必要ありませんが、自身で所得を記録しておくことは推奨されます。
コメント 0 好き

源泉徴収票は、もう確定申告に必要ない? 2019年以降の注意点

2019年4月1日以降に提出する所得税確定申告書(2019年分以降)には、源泉徴収票の添付・提出が不要になりました。これは、税制改正によって大きく変わった点の一つです。同時に、源泉徴収票の保存義務も廃止されました。

これは、一見すると楽になったように感じられます。確かに、源泉徴収票を保管する手間や、確定申告書に添付する作業が不要になったのは、手続きの簡素化に繋がっています。しかし、この変化を理解せずに確定申告を行うと、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。

源泉徴収票が不要になったからといって、自分の所得状況を把握する必要がなくなるわけではありません。むしろ、より正確に把握することが重要になっているのです。源泉徴収票は、会社から支払われた給与や、その他所得の具体的な金額と源泉徴収税額を示す重要な書類でした。それが不要になったことで、自分で自分の所得状況を記録する必要があります。

具体的に、どのような点に注意すべきでしょうか?

まず、給与所得の場合、給与明細をきちんと保管しておきましょう。給与明細には、給与の総額、控除額、源泉徴収税額などが記載されており、確定申告に必要な情報が網羅されています。会社から発行された源泉徴収票の代わりとして、給与明細が重要な役割を果たすのです。

また、不動産収入、株式売買益など、給与以外の所得がある場合は、それぞれの所得を得た際の領収書や契約書などの証拠書類をきちんと保管する必要があります。 これらは、自身の所得を正確に把握するために不可欠な情報です。

さらに、確定申告を行う際に、納税者番号や個人番号などの情報も必要となります。これらの情報は、事前に確認しておくことが大切です。

なぜ源泉徴収票が不要になったのでしょうか?

源泉徴収票の廃止は、税務処理の効率化と簡素化が目的の一つです。以前は、源泉徴収票の添付が必要だったため、税務署に書類の提出や確認に時間と労力がかかっていました。その手間を省くことで、手続きをスムーズに進めることができるようになったのです。

しかし、源泉徴収票が不要になったことで、自分自身で所得を正確に把握する責任が、納税者に移転したと言えるでしょう。

まとめると、源泉徴収票は確定申告に必要な書類ではなくなったものの、その代わりに、納税者は自分の所得を正確に記録し、確定申告を行う責任を負うことになります。給与明細や領収書など、正確な記録を心がけることが、確定申告をスムーズに進めるための第一歩と言えるでしょう。

確定申告ソフトや税務署のウェブサイトを活用するのも有効な手段です。これらのツールは、正しい申告に必要な情報や手順を分かりやすく教えてくれます。

最後に、もし所得の把握に不安がある場合は、税理士や会計士に相談するのも一つの方法です。専門家からのアドバイスを受けることで、よりスムーズで正確な確定申告を行うことができます。 源泉徴収票が不要になったことは、手続きの簡素化に繋がりますが、同時に納税者の責任がより明確になったことを忘れてはいけません。