無職の兄を扶養に入れることはできますか?

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同居していなくても、無職の兄を扶養に入れることは可能です。ただし、失業給付の受給額によっては扶養控除対象外となる場合もありますのでご注意ください。平成28年10月以降、兄弟姉妹の扶養における同居要件は廃止されています。

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無職の兄を扶養に入れる? 条件と注意点、手続きを詳しく解説

経済的に困窮している無職の兄を、自分が扶養に入れることはできるのでしょうか?家族を支えたい気持ちは尊いものですが、実際に扶養に入れるには一定の条件を満たす必要があります。この記事では、無職の兄を扶養に入れるための条件や注意点、手続きについて詳しく解説します。

まず、扶養には「税法上の扶養」と「健康保険上の扶養」の2種類があります。それぞれ条件が異なるため、注意が必要です。

1. 税法上の扶養

税法上の扶養とは、所得税や住民税の計算において、扶養控除を受けることができる人を指します。兄を扶養に入れることで、あなたの所得税・住民税が軽減されます。

条件は以下の通りです。

  • 年間総所得金額が40万円未満(給与収入のみの場合は103万円未満): ここでいう所得とは、給与収入だけでなく、年金、事業収入、不動産収入なども含まれます。兄がアルバイトなどで収入を得ている場合は、その金額も考慮する必要があります。失業給付も所得に含まれますが、所得制限額以下であれば扶養に入れる可能性があります。
  • あなたと生計を一にしている: これは、あなたが兄の生活費の大部分を負担していることを意味します。同居は必須ではありませんが、金銭的な援助の実態が必要です。例えば、定期的に生活費を送金している、家賃や光熱費を支払っているなどの客観的な証拠があると良いでしょう。単なるお小遣い程度では、生計を一にしていると認められない可能性があります。
  • 民法上の扶養義務者ではない: 既に両親などが兄を扶養している場合、あなたは第二の扶養義務者となるため、原則として扶養控除を受けられません。

2. 健康保険上の扶養

健康保険上の扶養とは、あなたの加入している健康保険に兄を扶養家族として加入させることを指します。兄はあなたと同じ健康保険証を使用でき、医療費の自己負担が3割になります。

条件は以下の通りです。

  • 年間収入が130万円未満(60歳以上または障害のある場合は180万円未満): パートやアルバイトなどの収入も含まれます。失業給付も収入に含まれるため、受給額によっては扶養に入れなくなる可能性があります。
  • あなたと生計を一にしている: 税法上の扶養と同様に、あなたが兄の生活費の大部分を負担している必要があります。同居は必須ではありませんが、金銭的な援助の実態が重要です。
  • 他の健康保険に加入していない: 兄が既に他の健康保険に加入している場合は、あなたの健康保険の扶養には入れません。

手続きについて

兄を扶養に入れるには、それぞれの扶養の種類に応じて手続きが必要です。

  • 税法上の扶養: 年末調整または確定申告の際に、「扶養控除申告書」を提出します。
  • 健康保険上の扶養: あなたの勤務先または加入している健康保険組合に、「被扶養者異動届」を提出します。

注意点

  • 兄の収入や状況によっては、扶養に入れられない場合があります。
  • 扶養に入れるための条件や手続きは、変更される可能性があります。最新の情報を必ず確認してください。
  • 扶養に関する疑問点があれば、税務署や市町村役場、健康保険組合などに相談することをお勧めします。

無職の兄を扶養に入れることは、手続きや条件を理解することで可能です。しっかりと確認し、適切な手続きを行いましょう。この情報が、あなたとご家族にとって少しでもお役に立てれば幸いです。