給料明細書を貰えないのは違法ですか？

給与明細がもらえない！違法？対処法を徹底解説

「今月も給与明細がもらえなかった…これって違法なの？」

給与明細は、自身の給与計算の内訳を知り、正確な賃金を受け取っているかを確認するために非常に重要なものです。もし、会社から給与明細が発行されない場合、不安や疑問を感じるのは当然です。

結論から言うと、原則として給与明細の発行は法律で義務付けられています。 所得税法や労働基準法などの関連法規において、企業は従業員に対して給与を支払う際に、その内訳を記載した明細書を発行する義務を負っています。

では、なぜ会社は給与明細を発行しないのでしょうか？考えられる理由としては、以下のものが挙げられます。

• 法令に対する認識不足: 一部の企業では、給与明細の発行義務を知らない、または軽視している場合があります。特に中小企業や個人事業主などで見られるケースです。
• 事務処理の煩雑さ: 給与計算や明細作成には、一定の事務処理が必要となります。人手不足やシステムの不備などにより、これらの処理が滞っている可能性があります。
• 意図的な隠蔽: 給与計算を誤魔化したり、違法な天引きを行ったりするために、意図的に給与明細を発行しない悪質なケースも存在します。

給与明細がもらえない場合、まずは会社の人事担当者や経理担当者に相談してみましょう。「給与明細の発行をお願いします」と明確に伝えることが重要です。もし、口頭で伝えても改善されない場合は、書面で請求することも有効です。

しかし、相談しても改善が見られない場合や、会社との関係が悪化する可能性を懸念する場合は、外部機関への相談も検討しましょう。以下に、相談できる窓口とその特徴を紹介します。

• 労働基準監督署: 労働基準法違反に関する相談を受け付けています。給与明細の発行義務違反も、労働基準法違反に該当する可能性があります。労働基準監督署に相談することで、会社への指導や是正勧告を期待できます。
• 税務署: 所得税法違反に関する相談を受け付けています。給与明細の発行義務は所得税法にも定められており、税務署に相談することで、会社への税務調査や指導を期待できます。「給与支払明細書不交付の届出書」を提出することも可能です。
• 弁護士: 法的なアドバイスや代理交渉を行ってくれます。会社との交渉が決裂した場合や、訴訟を検討する場合は、弁護士に相談するのが適切です。
• 総合労働相談コーナー: 各都道府県に設置されており、労働問題全般に関する相談を受け付けています。専門の相談員が、状況に応じて適切なアドバイスや窓口を紹介してくれます。

給与明細は、自身の権利を守るために非常に重要な証拠となります。給与明細がもらえない場合は、泣き寝入りせずに、積極的に行動することが大切です。まずは、会社への相談から始め、必要に応じて外部機関への相談も検討しましょう。

【補足】

近年では、ペーパーレス化の推進により、給与明細を電子データで交付する企業が増えています。電子データでの交付も、法律上は問題ありません。ただし、従業員が希望すれば、紙媒体での交付に応じる必要があります。

また、退職後も給与明細を受け取る権利はあります。退職した会社に、給与明細の発行を依頼することも可能です。