119番通報で知らせるべきことは？

119番通報、命をつなぐ正確な情報伝達：慌てるな、落ち着いて伝えよう

あなたは、大切な人が突然倒れた、あるいは激しい痛みに苦しんでいる、そんな緊急事態に直面したと想像してみてください。その時、あなたは何を考え、どのように行動しますか？ 冷静さを保ち、迅速に119番通報を行うことは、その人の命を救う最初の、そして最も重要なステップです。しかし、慌てていると、重要な情報を伝えそびれたり、伝え方に戸惑ったりしてしまいます。

この文章では、119番通報をする際に、確実に、そして効率的に必要な情報を伝えるための方法を具体的に解説します。単に「救急です」と言うだけでなく、何を、どのように伝えるべきかを理解することで、救急隊の到着を早め、救助の可能性を大きく高めることができます。

1. 最初の言葉：「救急です！」と、落ち着いて伝える

まず、電話を取ったら「救急です！」と、はっきりと、落ち着いて伝えましょう。これは、緊急事態であることを明確に示し、オペレーターの迅速な対応を促します。慌てた声で「ど、どうしよう…」と呟くよりも、断定的な言葉で伝えることで、オペレーターは状況を瞬時に把握できます。

2. 場所：正確な住所、目印を明確に

次に、最も重要な情報である「場所」を伝えましょう。市町村名、番地、建物名まで正確な住所を伝えることが理想です。マンションやアパートの場合は、号室番号も忘れずに。もし、住所が分からなければ、近くの目印となる建物名（例：「〇〇銀行の隣」）や交差点名（例：「〇〇通りと△△通りの交差点付近」）、ランドマーク（例：「〇〇駅近く、コンビニの横」）をできるだけ詳細に伝えます。地図アプリを活用して、現在地を事前に把握しておくのも有効です。

曖昧な表現（例：「この辺り」）は避け、可能な限り具体的な情報を提供しましょう。救急隊は、限られた時間の中で、あなたからの情報だけを頼りに現場に急行しなければなりません。

3. 患者の情報：氏名、年齢、症状を簡潔に

患者の氏名、年齢、性別を伝えましょう。年齢は、特に小児や高齢者の場合、重要な情報となります。そして、最も重要なのは、患者の症状を簡潔に説明することです。 例えば、「胸が痛い」「意識がない」「呼吸が苦しい」「吐血している」など、症状を具体的に、そして簡潔に伝えましょう。 症状が複数ある場合は、最も深刻な症状を優先的に伝え、その後、他の症状を説明します。専門用語は使わず、一般的に理解しやすい言葉で説明することが大切です。

4. 状況説明：事故や病状の概要

患者の症状に加えて、状況についても簡潔に説明しましょう。例えば、「転倒して頭を打った」「心臓発作を起こしたようだ」「交通事故に遭った」など、状況を伝えることで、救急隊は現場での対応を事前に準備できます。

5. その他の情報：必要な情報を追加

上記の他に、必要な情報を追加しましょう。例えば、患者の既往症、服用中の薬、アレルギーなどです。これら情報は、救急隊の適切な処置に役立ちます。

6. 電話を切らない：指示に従う

オペレーターの指示に従い、電話を切らずに指示を待ちましょう。救急隊が到着するまで、指示に従うことで、患者の状態を安定させる手助けをすることができます。

119番通報は、まさに「時間との戦い」です。正確で迅速な情報伝達は、患者の生存率を大きく左右します。慌てず、落ち着いて、上記を参考に情報を伝え、救急隊の到着を待ちましょう。 あなたの冷静な対応が、大切な人の命を救うのです。