「つきましては」は目上の人に対しても使えますか？

「つきましては」：目上の人への使用は適切？ 誤解を避けるための丁寧な使い方

「つきましては」はビジネスシーンで頻繁に耳にする表現ですが、目上の人に対して使って良いのか、迷った経験はありませんか？結論から言えば、「つきましては」は目上の人にも使えます。しかし、使い方によっては押し付けがましい印象を与えたり、かえって失礼に当たってしまう可能性もあるため、注意が必要です。この記事では、「つきましては」の適切な使い方、そしてより自然で丁寧な代替表現について解説します。

「つきましては」は、「ついては」に丁寧さを加えた表現です。「ついては」自体は「〜については」「〜に関しては」という意味で、話題を転換したり、前の内容を受けて結論を述べたりする際に用いられます。これに「ます」が付くことで敬意が加わり、ビジネスシーンなどフォーマルな場面に適した表現となります。

では、なぜ目上の人への使用に迷う人がいるのでしょうか？それは、「つきましては」がやや硬い印象を与え、場合によっては一方的な指示や要求のように聞こえてしまう可能性があるためです。特に、目上の人に対して「つきましては、このようにしてください」といった形で使うと、命令口調に捉えられかねません。

そこで、目上の人に対して「つきましては」を使う際には、以下の点に注意しましょう。

• クッション言葉を添える: 「つきましては」の前に、「恐れ入りますが」「大変恐縮ですが」などのクッション言葉を添えることで、より丁寧で柔らかな印象になります。例えば、「恐れ入りますが、つきましては今後の対応についてご検討いただけますでしょうか」のように使うと、相手への配慮が伝わりやすくなります。
• 依頼形を用いる: 「〜してください」のような命令形ではなく、「〜いただけますでしょうか」「〜いただけると幸いです」といった依頼形を用いることで、相手への敬意を示すことができます。「つきましては、ご確認いただけますでしょうか」のように使うのが適切です。
• 前後の文脈を意識する: 「つきましては」を使う際には、前後の文脈を意識し、自然な流れで用いることが重要です。唐突に「つきましては」と切り出すのではなく、前の内容との繋がりを明確にすることで、相手も理解しやすくなります。例えば、現状の説明をした後に「つきましては、今後の対策についてご相談させてください」のように使うとスムーズです。

さらに、状況によっては「つきましては」よりも自然で丁寧な代替表現を用いる方が適切な場合もあります。例えば、

• 「そこで」: 前の内容を受けて、提案や依頼をする際に使えます。「これまでの状況を鑑みまして、そこで新たな提案をさせていただきます」
• 「そのため」: 前述の理由に基づいて、結論や依頼を述べる際に使えます。「プロジェクトの遅延を防ぐため、そのため人員の増強を検討しております」
• 「ついては」: 「つきましては」よりもカジュアルな印象ですが、社内でのやり取りなど、状況によっては「ついては」でも十分丁寧な場合があります。「この件については、改めてご連絡いたします」
• 「〜に関しましては」: 特定の事柄について言及する際に使えます。「納期に関しましては、改めてご相談させてください」

このように、「つきましては」は目上の人にも使えますが、使い方によっては誤解を招く可能性があります。丁寧な言葉遣いを心がけ、状況に応じて適切な表現を選ぶことが、円滑なコミュニケーションにつながるでしょう。上記で紹介したポイントや代替表現を参考に、より効果的なビジネスコミュニケーションを目指してみてください。