「承ります」は目上の人に使えますか?

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「承ります」はビジネスシーンで適切な敬語ですが、社内、特に上司や他部署への指示・依頼への返答としては不自然です。「かしこまりました」や「承知いたしました」がより自然で、上司への返答には特に適しています。「承ります」は、取引先や顧客といった社外の人間とのフォーマルなやり取りに用いるのが望ましいでしょう。

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「承ります」は目上の人に使えますか? – シチュエーション別徹底解説

「承ります」という言葉は、丁寧で控えめな印象を与えるため、ビジネスシーンで頻繁に使われます。しかし、「承ります」が常に万能な敬語であるとは限りません。特に、目上の人に対して使用する場合、状況によっては不自然に聞こえる可能性があるため注意が必要です。

一般的に、「承ります」は、お客様や取引先など、対等もしくはそれ以下の立場の相手からの依頼や要望を「お受けします」という意思表示をする際に使用します。例えば、電話対応で「ご注文を承ります」と言うのは自然です。

それでは、社内、特に上司に対して「承ります」を使うのはどうでしょうか?結論から言うと、基本的には避けるべきです。

なぜなら、「承ります」には、「依頼をお受けする」というニュアンスに加えて、「(相手の立場を考慮して)承諾する」という、やや上から目線の意味合いが含まれているからです。

上司からの指示や依頼に対して「承ります」と答えてしまうと、「私があなたの依頼を承諾してあげます」というニュアンスに聞こえ、失礼にあたる可能性があります。

では、上司や社内の目上の人に対しては、どのような言葉を使うべきでしょうか?

状況に応じて、「かしこまりました」や「承知いたしました」を使い分けるのが適切です。

  • 「かしこまりました」: 相手の指示や依頼内容を理解し、間違いなく実行するという意思を示す際に使用します。「承ります」よりもさらに丁寧で、上司や目上の人に対して使用するのに適しています。例:「〇〇部長、明日の会議の準備、かしこまりました。」

  • 「承知いたしました」: 相手の指示や依頼内容を理解したことを伝える際に使用します。「かしこまりました」と同様に、上司や目上の人に失礼なく使える表現です。例:「〇〇様、ご指摘の件、承知いたしました。早急に修正いたします。」

さらに、状況によっては、「拝命いたしました」や「謹んでお受けいたします」などの、より謙譲語を用いた表現を使うこともできます。これらの表現は、特に重要な指示や依頼を受けた際に、真摯な姿勢を示すのに効果的です。

まとめ

相手 適切な表現 不適切な表現(例)
社外(お客様、取引先) 承ります かしこまりました、承知いたしました(丁寧すぎる場合がある)
社内(上司、目上の人) かしこまりました、承知いたしました、拝命いたしました、謹んでお受けいたします 承ります(相手に許可を与えるようなニュアンスになる可能性がある)、わかりました(ぞんざいな印象を与える)

「承ります」は便利な言葉ですが、相手や状況を考慮せずに使うと、誤解を招く可能性があります。ビジネスシーンにおいては、常に相手への敬意を払い、状況に応じた適切な言葉遣いを心がけることが大切です。本記事が、あなたの円滑なコミュニケーションの一助となれば幸いです。