お見舞い金を渡すときのマナーは？

お見舞い金を渡すときのマナー：心を込めて、相手に寄り添うために

病気やケガ、災害など、誰しも予期せぬ困難に直面することがあります。そんな時、大切な人に寄り添い、少しでも力になりたいという気持ちを表す方法の一つがお見舞い金です。しかし、お見舞い金はただお金を渡せば良いというものではありません。真心が相手に伝わるよう、マナーに配慮することが大切です。単なる形式的な行為ではなく、相手を思いやる気持ちを伝えるための手段として、お見舞い金を渡す際のマナーを改めて確認してみましょう。

祝儀袋の選び方：紅白の水引と結び方に注意

お見舞い金は、紅白の水引がかかった祝儀袋に入れて渡します。水引の種類は、「結び切り」か「あわじ結び」を選びましょう。結び切りは、一度結ぶと簡単にほどけないことから、繰り返したくない出来事、つまり病気やケガなどのお見舞いに適しています。一方、あわじ結びは何度でも結び直せることから、何度あっても良いお祝い事に用いられます。お見舞いの場合は、結び切りを選び、二度とこのようなことが起こらないようにという願いを込めましょう。

水引の色は、紅白が一般的ですが、地域によっては黄色と白の組み合わせを使用する地域もあります。不安な場合は、事前に地域の慣習を調べてみるのも良いでしょう。

金額の相場：関係性や状況に応じて適切な金額を

お見舞い金の金額は、相手との関係性や状況に応じて適切な金額を考えましょう。一般的には、親しい友人や親族であれば5,000円～10,000円、職場の同僚や上司であれば3,000円～5,000円程度が相場とされています。ただし、入院期間が長引いたり、大きな手術を受けたりする場合は、状況に応じて金額を増やすことも考慮しましょう。

金額に迷う場合は、周りの人に相談したり、地域の慣習を参考にしたりするのも良いでしょう。大切なのは、金額の多寡ではなく、相手を思いやる気持ちです。

表書きと中袋の書き方：丁寧な字で心を込めて

祝儀袋の表書きは、毛筆または濃い墨のペンで「御見舞」と書きます。筆ペンを使う場合は、薄墨ではなく、濃い墨を選びましょう。中袋には、金額と住所、氏名を記入します。金額は漢数字で書き、「金〇〇円」のように「金」を頭につけます。旧字体を用いるとより丁寧な印象になります。

表書きや中袋の書き方は、相手に失礼のないよう、丁寧な字で書くことを心がけましょう。

渡し方：直接手渡し、もしくは代理で

お見舞い金は、可能であれば直接手渡しするのが理想的です。その際、相手の様子を伺い、無理に会話や面会を長引かせないように配慮しましょう。「少しでもお役に立てれば」といった言葉と共に、静かに渡すのが適切です。

どうしても都合がつかない場合は、家族や親しい友人などに代理で渡してもらうことも可能です。その際は、お見舞い金を託した理由や相手への気持ちを伝えておきましょう。

お見舞い後のフォロー：無理のない範囲で

お見舞い金を渡したらそれで終わりではなく、その後も相手の様子を気遣うことが大切です。退院後や容態が落ち着いた頃に、電話やメールなどで連絡を取り、無理のない範囲で見舞いや励ましの言葉を伝えましょう。

お見舞い金は、相手への思いやりを形にするための手段です。形式的な行為ではなく、真心込めて相手に寄り添う気持ちを大切にすることで、真の思いやりが伝わることでしょう。