お見舞金は新札を使うべきですか？

お見舞い、新札はタブー？ 心遣いを伝えるためのマナー

病気やケガでお見舞いに行く際、気になるのがお見舞金のマナー。特に、「新札は使ってはいけない」という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。一体なぜ新札は避けるべきなのか、そして新札しか手元にない場合はどうすればいいのか、お見舞いのマナーについて詳しく見ていきましょう。

お見舞いに新札を避けるべき最大の理由は、「不幸を予期していた」と思われてしまう可能性があるからです。まるで事前に不幸を予測し、お見舞いの準備をしていたかのような印象を与えてしまい、相手を不快にさせてしまうかもしれません。お見舞いは、相手の回復を心から願う気持ちを表すものです。新札を使うことで、その真心が伝わらなくなってしまっては本末転倒です。

特に、お見舞いの相手が重篤な状態であったり、高齢であったりする場合は、新札の使用はより慎重になるべきです。相手やその家族の気持ちを汲み取り、配慮することが大切です。

しかし、現代社会においては、新札を用意すること自体が難しい場合も少なくありません。ATMで引き出せるのはほとんどが新札ですし、わざわざ銀行の窓口で旧札を両替してもらうのは手間がかかります。もし手元に新札しかない場合は、無理に旧札を用意する必要はありません。大切なのは、相手への配慮を形にすることです。

新札しかない場合は、一度折り目をつけることで、新札特有の“パリッ”とした印象を和らげることができます。折り目を付けるという行為自体に、「準備していた」という印象を払拭する効果はありませんが、少なくとも相手への配慮を示す姿勢として捉えてもらえるでしょう。これは香典と同様の考え方です。香典の場合も、新札は「不幸を予期していた」と受け取られる可能性があるため、折り目をつけて使用するのが一般的です。

お見舞金を入れる袋にも気を配りましょう。紅白の水引が印刷されたお見舞い用の袋を選び、表書きは「御見舞」と書きましょう。「お見舞い」でも問題ありません。お見舞いの金額は、相手との関係性や状況によって異なりますが、一般的には3,000円～10,000円程度が相場です。高額すぎても相手に気を遣わせてしまう可能性があるので、状況に応じて適切な金額を選びましょう。

お見舞金だけでなく、相手の状況に合わせた品物を持参するのも良いでしょう。例えば、入院中であれば、暇つぶしになる本や雑誌、食べやすいお菓子などが喜ばれます。退院後であれば、すぐに食べられるレトルト食品や、家事の負担を軽減できるような日用品などもおすすめです。相手の好みや状況を考慮し、本当に必要なものを贈るように心がけましょう。

最終的には、形式よりも気持ちが大切です。相手を思いやる気持ちがあれば、きっと相手に伝わるはずです。お見舞いのマナーをしっかりと理解し、心温まるお見舞いを実現しましょう。新札か旧札かという点にこだわりすぎるよりも、相手の気持ちを第一に考え、真心を込めてお見舞いをすることが何よりも重要です。