サイドブレーキとシフトの順番は？

サイドブレーキとシフト：安全な駐車のための正しい手順と、その理由

駐車は、運転における一見簡単な行為ですが、安全を確保するためには、正しい手順を踏むことが不可欠です。特に、サイドブレーキとシフトレバーの操作順序は、車両の転がりを防ぎ、事故を未然に防ぐ上で非常に重要です。多くのドライバーが、この手順を軽視している傾向がありますが、その重要性を改めて認識し、安全な駐車習慣を身につけることが求められます。

一般的に推奨される手順は、まずブレーキペダルを踏み込み、車両を完全に停止させることです。この際、軽くブレーキを踏むのではなく、しっかりと停止状態を維持できるだけのブレーキ力をかけることが重要です。 車体が完全に止まっていない状態でサイドブレーキを引いたり、シフトレバーをPレンジに入れたりすると、車体が僅かに動いたり、駆動系に負担がかかる可能性があります。特に坂道では、このことが非常に危険です。

車両が完全に停止したことを確認したら、次にサイドブレーキを引きます。サイドブレーキは、補助ブレーキとしてだけでなく、万が一、パーキングブレーキが解除されたり、ギアがニュートラルになったりした場合の最終的な安全装置としての役割を果たします。 しっかりとカチッと音がするまで引き上げ、確実に作動していることを確認しましょう。 サイドブレーキの効き具合は、車種や状況によって異なるため、定期的な点検と調整も重要です。

サイドブレーキが確実に効いていることを確認した後、ようやくシフトレバーをパーキング（P）の位置に移動します。 自動変速機の場合、Pレンジは、トランスミッション内部のラチェット機構によって車輪を固定し、転がりを防ぎます。 この機構は、サイドブレーキと合わせて車両の固定を確実なものにします。 マニュアル車の場合には、ギアをローギア（1速）に入れ、サイドブレーキと併用することで、坂道での転がりを防ぎます。

最後に、ブレーキペダルから足を離して、車両が動かないことを再度確認します。 もしも少しでも動きを感じた場合は、サイドブレーキの効き具合や、ギアの位置などを再確認する必要があります。 わずかな動きでも、後続車両との接触事故や、歩行者への危険につながる可能性があるからです。

なぜこの順序が重要なのか？それは、万が一の事態を想定した上での安全策だからです。例えば、ブレーキペダルから足を離した後にサイドブレーキを引く場合、もしブレーキが甘かったり、坂道で駐車していた場合、車体が後ろに下がる可能性があります。 逆に、サイドブレーキを先に引いてからブレーキを離すと、サイドブレーキの効き具合によっては、車が動いてしまう可能性は低いものの、サイドブレーキに過度の負担がかかってしまう可能性があります。

安全な駐車は、ドライバーの責任であり、日々の運転習慣の中に組み込むべき重要な要素です。 上記の正しい手順を理解し、実践することで、自分自身だけでなく、周囲の人々の安全にも繋がるということを常に意識しましょう。 そして、定期的な車両点検を通じて、ブレーキやサイドブレーキの効き具合を確認し、常に安全な状態を維持することが不可欠です。 安全な運転を心がけましょう。