人が倒れたら救急車を呼びますか？

倒れた人を発見した時、私たちは本能的にどう行動するべきでしょうか？救急車を呼ぶべき？それとも、まずはじめにできることがあるのでしょうか？

この問いには、一概に「はい」や「いいえ」と答えることはできません。状況は人それぞれ異なるからです。しかし、意識不明の重症患者を発見した場合、取るべき手順は明確に存在します。

まず、絶対に忘れてはいけないのは、大声で助けを求めることです。周囲に人がいる場合は、その人に助けを求め、同時に「119番、救急車！」と叫ぶことが重要です。一人きり、もしくは周囲に助けを求める人がいない場合は、すぐに119番に電話をかけましょう。

電話をかける際には、正確な場所と状況を伝えられるよう、準備しておきましょう。自分の住所や電話番号、そして倒れた人の状態（意識はあるか、呼吸はあるか、出血しているかなど）を具体的に伝えることが、救急隊の迅速な対応に繋がるからです。さらに、近くにある目印（交差点名、ビル名など）を伝えることで、救急隊員の到着時間を短縮できます。

119番通報中に、応急処置に詳しい人がいれば、その協力を仰ぎましょう。例えば、近隣住民、あるいは職場や学校の教職員などが該当します。AED（自動体外式除細動器）の設置場所を知っていれば、その場所まで誘導するのも有効な手段です。AEDは、心臓が止まっている場合に、電気ショックを与えて心臓を再開させる重要な機器です。

通報と並行して、患者の状態を継続的に確認しましょう。意識はあるか、呼吸は安定しているか、脈は感じられるか、出血はしているかなど、状態の変化に注意深く目を光らせましょう。 また、患者の状態に応じて適切な対応を行うことも重要です。例えば、呼吸が止まっている場合は、人工呼吸を始めるべきですが、専門家ではない場合は、安易に手を出すのではなく、救急隊の指示に従うことが重要です。

「救急車を呼ぶべきか」という疑問の背景には、もしかしたら、自分自身が対応できるのか、適切な対応ができないことで患者に悪影響を及ぼすのではないかという不安があるかもしれません。しかし、重要なのは、焦らず冷静に状況を把握し、適切な行動をとることです。助けを求め、状況を説明し、応急処置に詳しい人に協力してもらう。そして、救急隊の到着まで患者の状態を継続的に確認する。この手順を守ることで、できる限りのことを行い、患者さんの命を守り、より良い結果に繋がる可能性を最大限に高めることができるのです。

もし、その場で何をしていいのかわからなかったとしても、119番通報は優先事項です。通報を済ませることで、プロの救急隊員が迅速に対応し、適切な処置を行うことができます。不安を感じても、正しい手順に従うことで、患者さんの命を守るためにできることを最大限に実行することができます。