駅のホームでタバコを吸ってもいいのはいつまで？

駅のホームでタバコを吸ってもいいのはいつまで？ さらば、煙の楽園。鉄道における喫煙の終焉

2024年春、山陽新幹線から喫煙ルームが姿を消します。駅構内の喫煙コーナーも同時に廃止。長らく「旅の合間の休息」として、あるいは「思考の整理」の場として愛されてきた喫煙スペースですが、時代の波には抗えませんでした。健康増進への意識の高まり、そして受動喫煙防止の観点から、鉄道における喫煙の終焉は必然と言えるでしょう。

この動きは山陽新幹線に限った話ではありません。JR東日本やJR東海など、主要鉄道会社では既に多くの駅で喫煙所の閉鎖が進んでいます。かつてはホームに灰皿が設置され、自由にタバコを吸うことができた時代もありました。しかし、受動喫煙による健康被害が社会問題として認識されるようになり、分煙化、そして全面禁煙へと時代は移り変わってきました。

今回の山陽新幹線の全面禁煙化は、まさにその流れの象徴と言えるでしょう。喫煙者にとっては肩身の狭い思いをする場面が増え、肩を落とす人もいるかもしれません。しかし、この変化は、単に喫煙者を排除するものではなく、より多くの人が快適に利用できる公共空間を作るための、社会全体の取り組みと言えるのではないでしょうか。

では、今後、駅構内やホームでタバコを吸える場所は完全に無くなるのでしょうか？ 答えはほぼ「YES」です。一部の例外を除いて、指定された喫煙所以外での喫煙は禁止されています。そして、その喫煙所自体も減少の一途を辿っています。

喫煙者にとって、この変化への適応は容易ではありません。長年の習慣を断ち切ることは、大きなストレスを伴う場合もあります。しかし、禁煙は自身の健康を守るだけでなく、周りの人への配慮にも繋がります。禁煙外来や禁煙補助剤など、禁煙をサポートする様々なサービスも利用可能です。これを機に、禁煙に挑戦してみるのも良いかもしれません。

一方で、非喫煙者にとっては、クリーンな空気の中で鉄道を利用できることは大きなメリットです。特に、子どもや呼吸器系の疾患を持つ人にとっては、受動喫煙の心配がなくなることは大きな安心材料となります。

今回の山陽新幹線の全面禁煙化は、日本の鉄道における喫煙文化の大きな転換点となるでしょう。かつては当たり前の光景だったホームでの喫煙も、今では過去のものになりつつあります。

今後、鉄道を利用する際には、喫煙に関するルールを事前に確認することが重要です。指定された喫煙所以外での喫煙は罰則の対象となる場合もあります。マナーを守り、皆が快適に利用できる公共空間を維持していくためにも、一人ひとりの意識改革が求められています。

時代の変化とともに、私たちの行動も変化していく必要があります。禁煙化の流れは、単なる「禁止」ではなく、より健康で快適な社会を目指すための、ポジティブな変化と捉えるべきでしょう。タバコの煙が消えた後には、きっと、よりクリーンで、誰もが心地よく過ごせる空間が広がっているはずです。そして、それは、私たち全員にとっての利益となるのではないでしょうか。