「頂く」は敬語として間違いですか?

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「頂く」は謙譲語で、相手にものを渡す場合や、何かを受け取る際に使います。 しかし、相手に何かを依頼する場合には「頂く」ではなく「頂戴する」や「いただく」を使うべきです。 「お客様に頂いてください」は誤りで、「お受け取りください」が適切です。 尊敬語と謙譲語を使い分けることが重要です。
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「頂く」は敬語として間違い?~使い分けで生まれる、気持ちの良い日本語~

「頂く」は、日本語学習者にとって特に難しい敬語の一つです。丁寧な表現としてよく使われますが、実は場面によって適切な使い方が異なります。

「頂く」は、謙譲語であり、相手に何かを渡す場合や、何かを受け取る際に使います。例えば、

  • 「お茶を頂戴します。」(相手に茶を差し出してもらい、自分が受け取る場合)
  • 「おみやげを頂戴しました。」(相手から贈り物を受け取った場合)

このように、「頂く」は、自分が受け取る側であることを強調する表現です。

しかし、相手に何かを依頼する場合には、「頂く」ではなく「頂戴する」「いただく」を使うべきです。

  • 「お客様に頂戴ください。」(誤り)
  • 「お客様にお受け取りください。」(正しい)

この場合、お客様に何かを渡すのは、自分ではなく相手(店員など)なので、相手に何かをしてもらうという意味を表す「頂戴する」「いただく」が適切です。

「頂く」と「頂戴する」「いただく」の違いは、動作の主体にあります。「頂く」は自分が主体、「頂戴する」「いただく」は相手が主体です。

また、相手に対して尊敬の意を表す尊敬語と、謙譲語を使い分けることも重要です。

  • 「お客様はお飲み物召し上がってください。」(尊敬語)
  • 「私はお茶頂戴します。」(謙譲語)

このように、相手への配慮を示す尊敬語と、自分の立場を低く見せる謙譲語を状況に合わせて使い分けることで、より丁寧で気持ちの良い日本語表現になります。

日本語の敬語は奥が深く、完璧な使いこなしは難しいですが、一つずつ理解し、意識して使うことで、より自然で洗練された日本語を話せるようになります。