白血球多少算高?

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健康な成人の白血球数は、通常1マイクロリットルあたり4,400~11,000個です。白血球数が11,000/μLを超えると、白血球数が多いとみなされます。この範囲外の数値は、さらなる検査が必要となる場合があります。

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白血球増加(白血球数増加症)とは何か?そして、その原因は?

健康な成人の血液中には、様々な役割を担う様々な種類の白血球が存在します。これらの細胞は、体内に侵入した細菌、ウイルス、寄生虫、真菌、さらには癌細胞といった異物から身体を守る重要な免疫システムの一部です。通常、白血球は血液1マイクロリットルあたり4,400~11,000個の範囲に存在します。しかし、この数値が11,000/μLを超えた場合、白血球増加と診断されます。これは必ずしも病気を意味するわけではありませんが、何らかの異常が身体で起きている可能性を示唆しており、注意深い検査が必要です。

白血球増加の原因は多岐に渡り、その背景にある疾患によって大きく異なります。大きく分けると、感染症、炎症、血液疾患、悪性腫瘍の4つのカテゴリーに分類することができます。

1. 感染症: 最も一般的な原因の一つです。細菌感染(肺炎、髄膜炎、敗血症など)、ウイルス感染(インフルエンザ、風邪、モノヌクレオシスなど)、寄生虫感染、真菌感染など、様々な感染症によって白血球数が上昇します。体の異物を排除しようと白血球が大量に産生されるためです。感染症の種類によって、増加する白血球の種類も異なり、血液検査の結果を詳しく分析することで、感染原因の特定に役立ちます。

2. 炎症: 感染症だけでなく、非感染性の炎症も白血球増加を引き起こします。関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患や、アレルギー反応、組織損傷(外傷など)といった場合にも、炎症部位に白血球が集まり、その結果として血液中の白血球数が増加します。慢性的な炎症は、長期間にわたる白血球増加につながる可能性があります。

3. 血液疾患: 白血球そのものの異常が原因となる場合もあります。白血病や骨髄増殖性疾患などでは、骨髄において白血球が過剰に産生され、血液中に異常な数の白血球が放出されます。これらの疾患では、白血球の形態や機能にも異常が見られることが多く、詳細な血液検査や骨髄検査が必要となります。

4. 悪性腫瘍: 癌細胞が骨髄を侵したり、腫瘍の壊死や炎症が白血球増加を引き起こすことがあります。特に、白血病やリンパ腫などの血液のがんでは、白血球数の著しい増加が見られます。他の種類の癌でも、白血球増加が症状として現れる場合があります。

白血球増加は、単なる数値の異常ではなく、潜在的な健康問題を示唆する重要なサインです。白血球数の増加を認めた場合、その原因を特定するために、医師による詳しい問診、身体診察、そして血液検査(白血球の種類別分画、血算、CRPなど)、場合によっては画像診断(レントゲン、CT、MRIなど)や骨髄検査など、さらなる検査が必要となります。自己診断は避け、医師の診察を受けることが重要です。 原因を特定し、適切な治療を行うことで、健康状態を改善することができます。 白血球数自体はあくまで指標の一つであり、他の症状や検査結果を総合的に判断することで、正確な診断に至ることが可能となります。 そのため、健康診断などで白血球増加を指摘された場合は、慌てず、医師に相談し、指示に従って検査を進めていくことが大切です。