帝王切開で産んだ人の割合は?

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2020年の日本における帝王切開での出産割合は、病院で27.4%、診療所で14.7%でした。全体では21.6%となり、約5人に1人が帝王切開を選択している計算です。帝王切開での出産は年々増加傾向にあると報告されています。

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帝王切開は増えている? その背景と選択肢、そして向き合い方

2020年の日本における帝王切開での出産割合は、全体で21.6%と報告されています。これは約5人に1人が帝王切開を選択していることになり、年々増加傾向にあるというデータも存在します。しかし、「帝王切開が増えている」という事実だけを切り取って不安に感じたり、安易に「帝王切開が良い」と決めつけたりするのは危険です。今回は、帝王切開の現状を踏まえ、その背景にある様々な要因、そして私たち自身がどのように向き合っていくべきかを掘り下げて考えてみましょう。

帝王切開が増加する背景:医学の進歩と社会の変化

帝王切開の増加には、大きく分けて医学的な要因と社会的な要因が考えられます。

  • 医学的な要因: 周産期医療の進歩により、母体や胎児の状態を詳細に把握できるようになりました。これにより、難産の可能性が高いケースや、母体・胎児にリスクがあると判断された場合に、安全性を重視して帝王切開が選択されるケースが増えています。また、過去に帝王切開を経験した女性が、次回の出産も帝王切開を選択する割合が高いことも、全体の割合を押し上げる要因の一つです。

  • 社会的な要因: 高齢出産が増加していることも、帝王切開の増加に関係していると考えられます。高齢出産は、合併症のリスクが高まる傾向があり、帝王切開を選択する可能性が高まります。また、働きながら出産を迎える女性が増加しており、出産後の早期復帰を希望する女性が、計画的な帝王切開を選択するケースも見受けられます。

帝王切開の種類と選択肢:緊急帝王切開と予定帝王切開

帝王切開には、大きく分けて緊急帝王切開と予定帝王切開の2種類があります。

  • 緊急帝王切開: 分娩中に母体や胎児に緊急事態が発生し、速やかに帝王切開を行う必要が生じた場合に行われます。

  • 予定帝王切開: 出産前から帝王切開を行うことが決定している場合に行われます。前回帝王切開だった場合や、骨盤位(逆子)、多胎妊娠、前置胎盤などの医学的な理由のほか、母体の希望によって選択されることもあります。

重要なのは、帝王切開が必ずしもネガティブな選択肢ではないということです。母体や胎児の安全を最優先に考えた結果、帝王切開が最適な選択肢となる場合も多く存在します。

帝王切開と向き合うために:情報収集と医師との信頼関係

帝王切開を選択する場合も、自然分娩を目指す場合も、最も大切なことは、正しい情報を収集し、医師としっかりとコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことです。

  • 情報収集: インターネットや書籍など様々な情報源から、帝王切開に関する知識を深めましょう。ただし、情報の真偽を見極めることが重要です。信頼できる情報源としては、学会や医療機関のウェブサイト、医師の監修を受けた書籍などが挙げられます。

  • 医師とのコミュニケーション: 自分の不安や疑問を医師に伝え、納得のいくまで説明を受けましょう。帝王切開のメリット・デメリット、リスク、手術の流れなどを理解することで、安心して出産に臨むことができます。

帝王切開は、出産方法の一つであり、決して特別なことではありません。大切なのは、自分自身の状態や希望をしっかりと把握し、医師と相談しながら、最も安全で安心できる出産方法を選択することです。出産は、女性にとって大きな経験であり、その過程で多くの選択を迫られます。自分自身と向き合い、納得のいく選択をすることで、より良い出産経験に繋がるはずです。