悪露が鮮血に戻るのはいつか？

悪露が鮮血に戻るのはいつか？産後の体の変化と注意点

出産後、子宮から排出される分泌物を悪露といいます。悪露は、子宮内膜や胎盤などが剥がれ落ちたもので、産後の回復過程で自然に排出されます。初期は鮮血で量も多く、徐々に色が薄くなり、量は減っていきます。しかし、産後しばらく経ってから再び鮮血に戻ることがあります。これは一体なぜなのでしょうか？そして、どのような点に注意すべきなのでしょうか？

悪露は、一般的に産後1週間程度は鮮血が続きます。その後、徐々に色が薄くなり、褐色、黄白色へと変化し、最終的には無色透明に近くなり、産後4～6週間で消失します。しかし、この経過は個人差が大きく、中には8週間以上続く場合もあります。

悪露が鮮血に戻る原因として、以下のことが考えられます。

• 活動量の増加: 産後の無理な運動や家事、長時間の立ち仕事など、身体への負担が大きくなると、子宮の収縮が促進され、一時的に鮮血の量が増えることがあります。
• 子宮復古不全: 子宮の収縮が不十分な場合、悪露の排出がスムーズに行われず、鮮血が長引いたり、再び鮮血に戻ったりすることがあります。
• 感染症: 子宮内膜炎などの感染症にかかると、悪露が増えたり、悪臭を伴ったり、鮮血に戻ることがあります。同時に発熱や腹痛などの症状が現れることもあります。
• 胎盤遺残: 胎盤の一部が子宮内に残っていると、悪露が長引いたり、鮮血が続いたり、感染症のリスクが高まります。
• 授乳: 授乳によって子宮収縮が促進されるため、一時的に悪露が増えたり、鮮血に戻ることがあります。特に、最初の数週間は授乳のたびに子宮が収縮するため、悪露の変化を感じやすい時期です。

産後1ヶ月健診で子宮の回復状態や悪露の状態を確認します。健診までは、以下の点に注意しましょう。

• 安静: 産後は無理をせず、十分な休息を取りましょう。特に産後2週間は、できるだけ横になり、身体を休めることが大切です。
• 清潔: 外陰部は清潔に保ち、トイレの後には前から後ろへ拭き取るようにしましょう。悪露用のナプキンはこまめに交換し、蒸れを防ぎましょう。
• バランスの良い食事: 栄養バランスの良い食事を摂り、体力を回復させましょう。鉄分やタンパク質を積極的に摂取することがおすすめです。
• 水分補給: 水分をこまめに摂取し、体内の老廃物を排出しましょう。
• 腹帯や骨盤ベルトの使用: 子宮の回復を助けるため、腹帯や骨盤ベルトを使用するのも良いでしょう。ただし、締め付けすぎないように注意が必要です。

産後、悪露が鮮血に戻ったからといって、必ずしも異常があるとは限りません。しかし、上記のような症状を伴う場合や、少しでも不安に思うことがあれば、自己判断せずに産婦人科を受診しましょう。医師の診察を受け、適切な処置を受けることが大切です。

特に、鮮血の量が多い、レバーのような塊が混じっている、悪臭がする、発熱や腹痛があるといった場合は、すぐに受診しましょう。早期発見・早期治療が、産後のスムーズな回復につながります。

母体は出産という大きな出来事を経験した後、心身ともに疲弊している状態です。焦らずゆっくりと身体を休め、周りの人にサポートしてもらいながら、穏やかに過ごしましょう。そして、少しでも気になることがあれば、ためらわずに医療機関に相談しましょう。