クレーン車は高速道路に乗れますか？

クレーン車は高速道路に乗れる？ ラフタークレーンと高速道路の相性について

クレーン車、特に建設現場でよく見かけるラフタークレーンは、その巨大な姿から「高速道路を走れるのだろうか？」と疑問に思う方もいるかもしれません。結論から言うと、25トン程度のラフタークレーンは、原則として高速道路を走行できません。 なぜなのでしょうか？

その理由は、ラフタークレーンが「大型特殊自動車」に分類されることにあります。大型特殊自動車は、一般的な自動車とは異なる速度制限や通行条件が課せられています。

速度制限の壁:

高速道路には、車種ごとに最高速度が定められています。一般的な乗用車は時速100km、場合によっては120kmで走行できますが、大型特殊自動車の場合、その速度は著しく制限されます。これは、車両の構造や安定性、制動距離などの安全上の理由からです。ラフタークレーンの場合、車体が大きく重心が高いため、高速での走行は転倒の危険性を伴います。そのため、高速道路の最高速度制限に対応できないことが、高速道路を走行できない大きな理由の一つです。

通行条件の制約:

高速道路には、高さ制限や幅制限など、通行できる車両のサイズに関する制限があります。ラフタークレーンは、その巨大な車体ゆえに、これらの制限に抵触する可能性があります。特に、クレーン部分を折りたたんだ状態でも、高さ制限を超えるケースは少なくありません。また、トンネルなど、構造物によっては幅にも制限があるため、事前に通行ルートを確認する必要があります。

かつてのトラッククレーンとの違い:

かつては、トラッククレーンと呼ばれる種類のクレーン車が高速道路を走行していました。トラッククレーンは、クレーン機能を搭載したトラックであり、一般的なトラックと同様の速度で走行することが可能でした。しかし、ラフタークレーンは、オフロードでの走行性能や小回りの良さを重視して設計されており、トラッククレーンとは構造が大きく異なります。そのため、高速道路での走行性能はトラッククレーンに劣ります。

安全と道路事情:

上記のような理由から、ラフタークレーンは高速道路ではなく、一般道での作業が推奨されます。一般道であれば、速度制限や通行条件も比較的緩やかであり、安全に走行することができます。また、道路状況を考慮し、交通量の少ない時間帯を選んで移動するなど、安全対策を講じることが重要です。

まとめ:

ラフタークレーンは、その特殊な構造から高速道路の走行には様々な制約を受けます。安全面を考慮し、一般道での作業が適切です。もし、高速道路を走行する必要がある場合は、専門業者に依頼し、綿密なルート選定や安全対策を講じることが不可欠です。