車両費には何が含まれますか？

車両費：事業を支える足回りのコスト、どこまで計上できる？

事業を営む上で、車両は時に欠かせない存在です。営業活動、仕入れ、納品、顧客訪問…様々な場面でその機動力がビジネスを支えます。しかし、車両を維持するためには、様々なコストが発生します。これらの費用は「車両費」として経費計上できますが、一体どこまでが含まれるのでしょうか？

一言で車両費と言っても、その内訳は多岐にわたります。大きく分けて、日々の運用コスト、メンテナンス費用、税金・保険料の３つに分類できます。

1. 日々の運用コスト：走り続けるための燃料

最もイメージしやすいのは、ガソリン代や高速道路料金でしょう。これらの費用は、事業で使用した分だけを車両費として計上できます。プライベートでの使用分は含められませんので、走行距離を記録するなどして、事業使用分を明確に区分する必要があります。その他、駐車場代も事業で使用している場合は車両費として計上可能です。ただし、自宅の駐車場代は、事業専用で使用している場合を除き、按分計算が必要となる場合があります。

2. メンテナンス費用：安全と性能維持のために

車検費用、オイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換…これらは車両の安全な走行と性能維持に不可欠なメンテナンス費用です。定期的なメンテナンスはもちろん、故障時の修理費用も車両費として計上できます。事故による修理費用も同様ですが、保険金が支払われた場合は、その分を差し引く必要があります。

3. 税金・保険料：義務と安心への備え

自動車保険料、自動車税、重量税といった税金や保険料も、車両費として計上できます。これらの費用は、車両を所有し、公道を走行するために義務付けられているものです。自動車保険料は、万が一の事故に備えるための重要な費用であり、事業を守る上で欠かせません。

注意すべきポイント：

• 事業での使用割合: 車両をプライベートでも使用している場合は、事業で使用した割合に応じて按分計算する必要があります。走行距離、使用時間などを記録し、客観的に説明できる資料を準備しておきましょう。
• 領収書の保管: 全ての車両費について、領収書や明細書を保管しておくことが重要です。税務調査の際にも、これらの書類が経費計上を正当化する根拠となります。
• 減価償却費: 車両本体の購入費用は、車両費として一括で計上することはできません。減価償却費として、耐用年数に応じて毎年少しずつ経費として計上していく必要があります。

車両費は、事業を円滑に進める上で重要な経費です。適切な経費計上は、節税にもつながります。上記を参考に、漏れなく、そして正しく車両費を計上しましょう。不安な場合は、税理士などの専門家にご相談されることをお勧めします。