AT車 B いつ使う?

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AT車のBレンジは、トルクコンバーター式ATの【2】レンジと同様の役割です。下り坂での速度抑制や、カーブ手前での減速時にエンジンブレーキを効果的に使用したい場合に選択します。積極的にエンジンブレーキを活用するためのレンジであり、【S】レンジよりも強い制動力を得られます。

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AT車のBレンジ、その真価を発揮する場面とは?

オートマチック車(AT車)を運転する際、Dレンジに入れるだけで快適に走行できますが、シフトレバー付近をよく見ると「B」という見慣れないレンジがあることに気付く方もいるでしょう。このBレンジ、一体どんな時に使うのでしょうか?なんとなく「ブレーキ」のBかな?と思いつつ、使ったことがない方も多いかもしれません。実はこのBレンジ、特定の状況下では非常に役立つ機能なのです。

Bレンジは「ブレーキ」ではなく、「エンジンブレーキ」を強化するためのレンジです。マニュアル車でのシフトダウンと同様の効果があり、トルクコンバーター式ATにおける「2」レンジの役割を果たします。急な下り坂や滑りやすい路面で、フットブレーキだけに頼らず速度をコントロールしたい時に真価を発揮します。

具体的にBレンジが活躍するシーンをいくつか挙げてみましょう。

1. 長い下り坂での速度抑制:

山道などの長い下り坂を走行する際、フットブレーキを連続して使用すると過熱によるフェード現象が発生し、制動力が低下する危険があります。Bレンジを使用することで、エンジンブレーキを効かせ、フットブレーキの使用頻度を減らし、フェード現象の発生を抑制できます。これにより、安全に下り坂を走行することが可能になります。

2. カーブ手前での減速:

カーブに進入する前に速度を落とす必要がある場合、Bレンジを使うことでスムーズな減速を実現できます。フットブレーキを強く踏むと急激な減速になり、車体が不安定になる可能性がありますが、Bレンジを活用すれば、エンジンブレーキによる自然な減速で安定したコーナリングに繋がります。

3. 悪路や雪道での走行:

滑りやすい路面状況、例えば雨天や雪道では、フットブレーキの使用はスリップの原因となる可能性があります。Bレンジを活用することで、エンジンブレーキを主体とした減速が可能となり、スリップのリスクを軽減できます。特に、雪道の下り坂では、Bレンジの効果は絶大です。

4. 渋滞時のスムーズな減速:

渋滞時、頻繁な加減速が必要になります。Bレンジを使うことで、アクセルオフ時のエンジンブレーキが強まり、スムーズな減速が可能です。これにより、無駄なアクセル操作を減らし、燃費向上にも繋がります。

BレンジとSレンジの違い:

一部のAT車には「S」レンジ(スポーツモード)が搭載されていますが、Bレンジとは役割が異なります。Sレンジは、エンジン回転数を高めに保ち、加速性能を向上させるためのレンジです。一方、Bレンジは減速を目的としており、エンジンブレーキを強化する役割を果たします。Bレンジの方がSレンジよりも強い制動力を得ることができます。

注意点:

Bレンジは強力なエンジンブレーキを発生させるため、平坦な道路や市街地での常用は避けましょう。エンジン回転数が上がり、燃費が悪化するだけでなく、後続車との速度差が大きくなり、追突される危険性もあります。また、Bレンジの使用中はエンジン音が大きくなるため、周囲の状況に注意しながら運転することが重要です。

Bレンジは、適切な場面で使用することで、安全で快適なドライブを実現するための強力なツールとなります。その特性を理解し、状況に応じて使い分けることで、AT車の運転をより一層楽しむことができるでしょう。