4ヶ月通院した場合の示談金の相場は？

４ヶ月間の通院を要した交通事故の後遺障害慰謝料の相場について、明確な数字を示すことは困難です。なぜなら、慰謝料の算定は、単純な通院期間の長さだけでなく、多くの要素が複雑に絡み合っているためです。 弁護士基準と言われるものも、あくまで目安であり、個々のケースによって大きく変動する可能性があることを理解しておく必要があります。

提示された「重傷で90万円、軽傷で67万円」という数字は、あくまで一般的な目安であり、具体的な事故状況、怪我の内容、治療内容、後遺症の有無、そして保険会社との交渉力などによって大きく左右されます。 単に「４ヶ月通院」という事実だけでは、適切な慰謝料を算出することは不可能です。

では、どのような要素が慰謝料の額に影響を与えるのでしょうか？ いくつか重要な点を挙げ、解説します。

1. 負傷の種類と程度: これは最も重要な要素です。骨折や脱臼、むち打ち症など、怪我の種類によって治療期間や後遺症の有無、程度が大きく異なります。 同じ４ヶ月間の通院でも、軽度の打撲と複雑骨折では慰謝料の額は桁違いになるでしょう。 レントゲン写真、MRI画像、医師の診断書など、客観的な証拠は非常に重要です。

2. 治療内容: 通院頻度、治療の種類（薬物療法、物理療法、手術など）、治療期間の長さなども考慮されます。 高額な治療を受けた場合、その費用は慰謝料の算定に影響を与えます。 通院記録や領収書は大切に保管しましょう。

3. 後遺症の有無と程度: ４ヶ月間の通院後も、後遺症が残る可能性があります。 後遺症の程度によっては、後遺障害慰謝料が加算されます。 後遺症の有無、程度を客観的に証明するためには、医師の診断書や専門医の意見書が必要となります。 これは、慰謝料額を大きく左右する重要な要素です。

4. 精神的損害: 事故による精神的苦痛も慰謝料の算定に含まれます。 不安、恐怖、不眠、精神的なストレスなど、具体的な症状を証拠として示すことが重要です。 医師の診断書があれば、より信憑性が増します。

5. 逸失利益: 事故により仕事ができなくなった場合、その期間の収入減少分を補償する逸失利益が請求できます。 自営業者やフリーランスの場合は、収入を証明する書類が必要となるでしょう。 会社員の場合は、給与明細などが証拠となります。

6. 保険会社との交渉: 保険会社との交渉力も慰謝料額に影響します。 弁護士に依頼することで、専門的な知識と交渉力を活かし、より適切な慰謝料を獲得できる可能性があります。 自力で交渉するよりも、より高い金額の示談が成立する可能性が高いと言えるでしょう。

結論として、４ヶ月間の通院で90万円から67万円という数字はあくまでも目安であり、ご自身のケースでは異なる可能性が高いです。 適切な慰謝料を算定するためには、専門家（弁護士など）に相談し、客観的な証拠を揃えることが重要です。 安易に提示された金額に納得せず、自身の権利をしっかり主張しましょう。 そして、詳細な状況を弁護士に説明し、最適な解決策を見つけることが大切です。