119番に電話したら何を聞かれますか？

119番通報、命を救うための冷静な対応：何を聞かれるか、そしてどう答えるか

命に関わる緊急事態に遭遇した時、真っ先に思い浮かぶのは119番通報です。しかし、電話がつながった時の慌てふためき、何を聞かれるのか分からない不安…これらが的確な情報伝達を阻害し、救助活動の遅れにつながる可能性があります。そこで、119番通報時に指令員からどのような質問を受けるのか、そしてどのように対応すれば効果的に助けを求められるのかを詳しく解説します。

まず、電話がつながると、多くの場合、最初に求められるのは「何があったか」という簡潔な説明です。これは、指令員が状況を迅速に把握し、適切な対応を判断するための最初のステップです。例えば、「マンションで火災が発生しました！」「人が川に落ちました！」「交通事故で人が倒れています！」といったように、事実を端的に伝えましょう。専門用語や難しい言葉は避け、誰でも理解できるシンプルな言葉を使うことが重要です。

次に、指令員は状況をより詳しく把握するために、具体的な質問をしてきます。慌てず、落ち着いて、一つずつ丁寧に答えることが求められます。具体的には、以下のような質問が予想されます。

• 場所: 発生場所をできるだけ正確に伝えましょう。番地、建物名、目印となるものなどを具体的に説明します。地図アプリで場所を確認し、緯度経度を伝えることができれば、より迅速な対応に繋がります。曖昧な表現は避け、「〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番地、〇〇マンション3階」のように、詳細な情報提供を心がけましょう。

• 状況: 事故や事件の内容を具体的に説明します。例えば、火災であれば、「煙が出ている」「炎が上がっている」「部屋から人が出てこない」など。交通事故であれば、「車同士の衝突」「歩行者と車の衝突」「けが人の数」など。可能な限り、状況を客観的に、そして詳細に説明することが重要です。

• 被害者: けが人や被害者の数、年齢、性別、意識状態などを伝えましょう。意識がない、呼吸が困難、出血しているなど、症状についてもできるだけ詳しく説明します。複数人が被害に遭っている場合は、一人ずつについて状況を説明する必要があります。

• 救急車以外の必要なもの: 消火器を使用しているか、既に救急隊が到着しているか、他に必要なもの（例えば、高所作業車など）があるかなども尋ねられる可能性があります。

• 通報者の情報: あなた自身の氏名、電話番号、現在地（通報場所と異なる場合）などを伝えましょう。緊急時においても、個人情報は必須ではありませんが、状況によっては確認される可能性があります。

これらの質問に対しては、落ち着いて、簡潔かつ正確に答えることが重要です。憶測や推測は避け、事実のみを伝えましょう。また、指令員の指示には従い、質問されたこと以外の情報も積極的に提供することで、より迅速かつ的確な救助活動が期待できます。

119番通報は、緊急事態における大切な命綱です。冷静さを保ち、正確な情報伝達を行うことで、自分自身だけでなく、他者の命も救うことができるということを、常に心に留めておきましょう。 通報前に、自分の位置情報や状況を簡単にメモしておけば、慌てた時に役立ちます。 練習しておけば、いざという時に冷静に対応できます。 何度も練習する必要はありませんが、一度はシミュレーションしておくと安心です。