「ご」と「させていただきます」は敬語として正しいですか?

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「ご」と「させていただきます」はどちらも謙譲語であり、組み合わせると二重敬語となります。ただし、現在では広く使用されており、問題ないと考えられています。

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「ご」と「させていただきます」は敬語として正しいのか?~現代における許容と留意点~

「ご」と「させていただきます」は、日常生活やビジネスシーンで頻繁に使われる表現です。しかし、「ご」は尊敬語または謙譲語を伴う接頭語、「させていただきます」は謙譲語であるため、組み合わせによっては二重敬語となり、本来は不適切とされることがあります。

記事冒頭にあるように、「ご」と「させていただきます」を組み合わせた表現が、現代では広く使用され、問題ないと考える人もいるのは事実です。特に、相手に許可を得るニュアンスを含む「~させていただく」は、丁寧な表現として定着しています。

しかし、本当に常に許容されるのでしょうか?状況によっては、過剰な丁寧さ、あるいは慇懃無礼な印象を与えてしまう可能性も考慮する必要があります。

問題となりうるケースと、より適切な代替表現:

  • 相手への許可の必要がない場合: 例えば、「ご説明させていただきます」は、相手が説明を求めていない場合、押し付けがましい印象を与えかねません。この場合は、単に「ご説明いたします」で十分です。
  • 形式的な状況: あまりにも形式的な状況で「ご」と「させていただきます」を多用すると、かえって不自然に聞こえることがあります。例えば、社内メールで同僚に対して「ご報告させていただきます」と書くのは、少し大げさかもしれません。「ご報告いたします」や「報告いたします」など、状況に応じて適切な表現を選択することが重要です。
  • 謙譲語の重ねすぎ: 「ご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます」のような表現は、丁寧ではあるものの、冗長で回りくどい印象を与えます。より簡潔に「深くお詫び申し上げます」とする方が、真摯な気持ちが伝わりやすくなります。

より適切な表現を検討するポイント:

  • 相手との関係性: 親しい間柄であれば、過剰な敬語は避け、より自然な言葉遣いを心がけましょう。
  • 状況: フォーマルな場面では丁寧な言葉遣いが必要ですが、状況によっては簡潔な表現の方が適切です。
  • 目的: 伝えたい内容を明確にし、その目的に合った言葉遣いを選びましょう。

結論:

「ご」と「させていただきます」の組み合わせは、現代においては広く許容されつつありますが、常に正しいとは限りません。状況や相手との関係性を考慮し、より適切な表現を選択することが重要です。過剰な敬語は、かえって相手に不快感を与えたり、コミュニケーションを阻害したりする可能性もあるため、注意が必要です。

大切なのは、相手への敬意を示すことだけでなく、相手に内容を正しく伝えることです。そのためには、言葉遣いをTPOに合わせて調整し、より自然で分かりやすい表現を心がけることが重要です。