ディーゼルエンジンは何で動く？

ディーゼルエンジンの仕組み

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは異なる独特の燃焼プロセスを用いて動作しています。

ディーゼルサイクル

ディーゼルエンジンは、以下のようなディーゼルサイクルで動作します。

1. 吸気行程: ピストンがシリンダー内で下がり、外部から空気を吸入します。
2. 圧縮行程: ピストンが上方に移動し、空気のみを強く圧縮します。この圧縮により、空気の温度が上昇します。
3. 燃料噴射および自着火: 圧縮された空気が一定の温度（自己着火点と呼ばれる）に達すると、高圧燃料噴射装置がディーゼル燃料をシリンダー内へ噴射します。この高温の空気により、ディーゼル燃料は自然発火し、着火プラグは必要ありません。
4. 燃焼行程: 燃料が燃焼し、高温で高圧の燃焼ガスが発生します。このガスがピストンを下向きに押し下げ、動力を発生させます。
5. 排気行程: ピストンが再び上向きに移動し、燃焼ガスを排気バルブから排出します。

ディーゼル燃料

ディーゼルエンジンは、ガソリンとは異なる特性を持つディーゼル燃料を使用します。ディーゼル燃料は、ガソリンよりも粘度が高く、より高い引火点を持っています。

ディーゼルエンジンの特徴

• 高い効率: ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも熱効率が高く、燃料をより効率的に燃焼させます。
• トルクが高い: ディーゼルエンジンは低回転数でも高いトルクを発生するため、重い荷物を牽引したり、起伏の多い地形を走行したりするのに適しています。
• 燃料費が安い: ディーゼル燃料は通常ガソリンよりも安価です。
• 排出ガスが少ない: ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも、一酸化炭素や二酸化炭素の排出量が少なくなります。ただし、窒素酸化物（NOx）の排出量は高くなります。

用途

ディーゼルエンジンは、その高効率と高トルクにより、以下のような幅広い用途に使用されています。

• 乗用車（特にSUVやピックアップトラック）
• 商用車（トラック、バス、建設機械）
• 発電機セット
• 船舶
• 農業機械