3Dセキュアはいつから始まったのですか?

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1999年、Visaが先陣を切って開発した3Dセキュアは、オンライン決済におけるセキュリティ強化策として登場しました。当初はVisa独自のシステムでしたが、その後Mastercardなど他ブランドも採用し、世界規模で普及。今では「Verified by Visa」や「Mastercard SecureCode」など、様々な名称で利用されています。 そのおかげで、より安全なオンラインショッピングが可能になったのです。

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3Dセキュア:誕生から現在、そして未来へ

1999年、インターネットはまだ黎明期を脱したばかり。オンラインショッピングは徐々に普及し始めていましたが、クレジットカード情報の盗難といったセキュリティリスクへの懸念も大きくなっていました。そんな中、Visaが先陣を切って開発したのが3Dセキュアです。当時「Verified by Visa」という名称でスタートしたこの技術は、オンライン決済における本人認証を強化し、不正利用を防止することを目的としていました。

初期の3Dセキュアは、比較的シンプルな仕組みでした。ユーザーはクレジットカード会社に事前にパスワードを登録しておき、オンライン決済時にそのパスワードを入力することで本人確認を行うというものです。これは、まるでATMで現金を引き出す際に暗証番号を入力するのと似たような感覚でした。この新たなセキュリティ層の導入により、オンラインショッピングの安全性は格段に向上し、ユーザーの不安を軽減することに貢献しました。

その後、Mastercardも「Mastercard SecureCode」という名称で同様のサービスを開始。JCBやAmerican Expressなども追随し、3Dセキュアは世界的な標準技術へと成長していきました。今では、これらの名称以外にも、各カード発行会社が独自のブランド名で3Dセキュアを提供しています。

しかし、初期の3Dセキュアには課題もありました。例えば、パスワードを忘れてしまうユーザーが多く、利便性に欠けるという指摘がありました。また、フィッシング詐欺の手口も巧妙化し、偽の3Dセキュア認証画面にユーザーを誘導してパスワードを盗み取るといった事例も発生しました。

これらの課題を解決するために、3Dセキュアは進化を続けています。近年では、パスワード入力ではなく、ワンタイムパスワードや生体認証を利用した本人確認方法が普及しています。スマートフォンへのプッシュ通知やSMSで送信される認証コードを入力する方式は、パスワードを記憶する必要がなく、セキュリティも高いことから広く採用されています。さらに、指紋認証や顔認証といった生体認証技術との連携も進み、よりスムーズで安全な認証が可能になっています。

また、リスクベース認証の導入も大きな変化です。これは、決済金額や利用場所、端末情報など様々な要素を分析し、不正利用のリスクが高いと判断された場合のみ3Dセキュア認証を要求する仕組みです。これにより、低リスクの取引では認証の手間を省き、ユーザーの利便性を向上させることができます。

3Dセキュアの進化は、EC市場の拡大と密接に関係しています。スマートフォンやタブレットの普及により、オンラインショッピングはますます身近なものとなり、決済手段も多様化しています。このような状況下で、3Dセキュアは、安全なオンライン決済を支える重要な基盤技術として、今後も進化を続けていくことでしょう。将来的には、AIや機械学習を活用したより高度な不正検知システムとの連携や、パスワードレス認証のさらなる普及など、更なる進化が期待されます。そして、ユーザーにとってより安全で、より快適なオンラインショッピング体験の実現に貢献していくことでしょう。