なぜ警察は110番で消防は119番？

なぜ警察は110番で、消防は119番なのですか？

日本では、警察への非常通報は「110番」、消防への非常通報は「119番」と覚えられていますが、なぜ異なる番号が割り当てられたのでしょうか？

そのルーツは、電話機の普及発展の時代まで遡ります。

ダイヤル式電話の導入

1920年代後半、日本ではダイヤル式電話が普及し始めました。それまでは、電話交換手に繋いでもらい、通話相手の名前や番号を告げるオペレーター方式が主流でしたが、ダイヤル式電話では自分で番号をダイヤルして通話相手と直接繋がるようになりました。

112番の導入

1931年（昭和6年）、非常通報用の特別な番号として「112番」が導入されました。この番号はダイヤルの数字が少なく、覚えやすかったことから採用されました。しかし、112番は警察と消防の両方に割り当てられ、通報時に誤報や混乱が生じるケースが相次ぎました。

119番への変更

この問題を解決するため、1947年（昭和22年）に消防用の番号が「119番」に改定されました。この番号は、112番の2番目の数字「1」を「9」に置き換えたものです。

9という数字は、消防のシンボルマークである「はしご」の形状や、救助活動の緊急性を表す意味合いがあります。また、ダイヤル式の電話では「119」は「110」よりも遠い位置にあり、誤ダイヤルを減らす効果も期待されました。

警察は110番のまま

一方、警察の番号は「110番」のまま維持されました。これは、当時すでに広く普及していたためと、数字の語呂合わせ（「いい（11）ゼロ（0）」）が覚えやすかったことが要因とされています。

以来、警察は110番、消防は119番と、現在まで使用されています。これらの番号は広く認知されており、緊急時に迅速かつ正確な通報に役立っています。