配偶者控除は、いつの時点の現況で判断されます？

配偶者控除：判断のタイミングは「今この瞬間」だけじゃない！

配偶者控除の適用可否は、確かに多くの場合「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出する時点、つまりその年の最初の給与を受け取る前に提出する申告書の提出時点で判断されます。申告書には、その時点での配偶者の収入や所得見込みを記載し、それに基づいて控除の適用可否が判断されます。

しかし、注意すべき点がいくつかあります。それは、「申告書提出時点」だけが全てではないということです。

• 年の途中で状況が変わったら？

  • 例えば、年初に配偶者がパートで働き始めたとします。申告書提出時点では、年間の所得見込みが103万円以下だったため、配偶者控除を申告したとしましょう。しかし、その後、勤務時間が増えたり、時給が上がったりして、年間の所得見込みが103万円を超えてしまう可能性があります。このような場合、年末調整の際に再度確認し、修正する必要があります。
  • 逆に、年初に配偶者控除を申告しなかったものの、年の途中で配偶者が退職し、年間の所得見込みが103万円以下になる場合もあります。この場合も、年末調整で配偶者控除を申告できます。

• 扶養の事実も重要

  • 配偶者控除は、配偶者の所得だけでなく、生計を同一にしているという事実も考慮されます。例えば、別居している場合は、原則として配偶者控除の対象にはなりません。ただし、生活費を送金しているなど、生計を同一にしていると認められる場合は、例外的に対象となることもあります。

• 税制改正の影響

  • 配偶者控除の制度は、税制改正によって変更されることがあります。改正が行われた場合、変更後の制度に基づいて判断する必要があります。 過去の知識にとらわれず、最新の情報を確認するようにしましょう。

つまり、配偶者控除の判断は、「申告書提出時点」の状況を基にしますが、その年の状況全体を考慮し、年末調整で最終的な調整を行う必要があるということです。

まとめ：

1. 申告書提出時点: 最初の判断基準となる重要なタイミング。
2. 年の途中での状況変化: 年末調整で必ず再確認し、修正が必要。
3. 扶養の事実: 生計を同一にしていることが大前提。別居の場合は注意。
4. 税制改正: 最新の情報を常に確認。

配偶者控除は、適用を受けることで税金の負担を軽減できる制度です。しかし、要件を満たしているかどうかを正しく判断しなければ、後々修正申告が必要になることもあります。不安な場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。