エンジンをかけるときサイドブレーキとエンジンの順番は?

0 ビュー

エンジン始動時は、サイドブレーキの操作は不要です。エンジン停止後に車を安全に固定するためにサイドブレーキを使用します。停止後、サイドブレーキをかけ、シフトをパーキングに入れるのが正しい手順です。これにより、車両が不用意に動くことを防ぎます。

コメント 0 好き

エンジン始動とサイドブレーキ:安全な運転のための正しい手順

車の運転において、一見些細な動作に見えるエンジン始動時の手順も、実は安全運転の基礎を築く上で非常に重要です。特に、サイドブレーキとエンジンの始動順序については、多くのドライバーが誤解している部分であり、事故につながる可能性も秘めているため、正しく理解しておく必要があります。

多くのドライバーが、「エンジンをかける前にサイドブレーキを引いておくべきだ」と考えているかもしれません。これは、坂道などで車が勝手に動き出さないようにするための予防策として、長年習慣として伝えられてきた方法だからです。しかし、現代の自動車、特にオートマチック車においては、この考え方は必ずしも正しいとは言えません。

確かに、古い車や、ブレーキシステムに問題のある車では、エンジン始動時にサイドブレーキを引いておくことで、車両の動きを防ぐ効果がありました。しかし、現代の車は、エンジン始動時に様々な安全装置が作動し、不用意な動きを抑制する仕組みが備わっています。具体的には、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)が作動している状態では、多くの車両で、アクセルペダルを踏み込んでも車が動き出さないよう制御されています。加えて、坂道発進補助システムといった機能を持つ車両も増えています。

エンジン始動前にサイドブレーキを引く行為は、むしろリスクを高める可能性があります。例えば、サイドブレーキを強く引きすぎている場合、エンジンをかけた際に、駆動系に大きな負荷がかかる可能性があります。これは、特に古い車や、摩耗が進んだサイドブレーキにおいて顕著です。最悪の場合、駆動系部品の破損や、異音の発生、さらには、エンジン始動に支障をきたす可能性も否定できません。

では、正しい手順はどのようなものでしょうか?

エンジン始動時は、まず、シフトレバーをパーキングポジション(P)に確実にセットします。これは、車両が不用意に動き出すことを防ぐための最も確実な方法です。その後、アクセルペダルを踏まずに、エンジン始動スイッチを押してエンジンをかけます。エンジンが安定して始動したら、必要に応じてシフトレバーをドライブポジション(D)などに切り替え、走行を開始します。

エンジンを停止させる際には、安全な場所に停車し、完全に停止したことを確認してから、シフトレバーをパーキングポジション(P)に入れます。そして、最後にサイドブレーキを引き、車両を確実に固定します。この手順は、あらゆる状況下において、車両の不用意な動きを確実に防止するためのものです。

つまり、エンジン始動時はサイドブレーキは不要であり、むしろ、パーキングポジションへのシフトレバー操作が重要なのです。サイドブレーキは、車両の安全な停止を確保するための、エンジン停止後の措置として用いるべきです。

この正しい手順を理解し、実践することで、安全運転に大きく貢献できます。些細な動作と思われがちですが、安全運転の基本であり、事故防止に繋がる重要な習慣として、しっかりと身につけておきましょう。習慣化することで、無意識に正しい操作ができるようになり、運転中の精神的な負担も軽減されます。 改めて、エンジン始動前にサイドブレーキを引く必要性はなく、むしろ危険性を伴う可能性があることを理解し、安全な運転を心がけましょう。