上座と下座の東西南北はどちらが上ですか?

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日本では、席次や立ち位置において「左上右下(さじょううげ)」という考え方があります。これは、飛鳥時代に中国から伝わったもので、左側が上位、右側が下位とされます。中国の思想「天帝は北辰に座して南面す」に基づき、左を上位とする文化が日本にもたらされました。

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上座・下座:東西南北、一体どこが上? – 日本の席次における奥深き思想

日本のビジネスシーンやフォーマルな場において、しばしば問題となるのが「席次」です。一体どこが上座で、どこが下座なのか。多くの方が「左上右下」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは、飛鳥時代に中国から伝わった思想に基づいたもので、左側が上位、右側が下位とされる考え方です。しかし、ここで新たな疑問が生まれます。東西南北という方位が関係する場合、一体どこが「上」になるのでしょうか?

実は、席次における「上」の概念は、単純な方位だけでは判断できません。より複雑な要素が絡み合っているのです。

基本は「入り口からの遠さ」と「景色」

一般的に、部屋の入り口から最も遠い席が上座とされます。これは、入り口に近い席ほど、不測の事態にすぐ対応しなければならないという考え方に基づいています。つまり、地位の高い人ほど、安全な場所に座ってもらうという配慮が含まれているのです。

また、景色が良い席も上座とされます。美しい庭園を眺められる席や、見晴らしの良い窓側の席は、客人をもてなす意味合いで上座とされることが多いです。

東西南北の考慮:建物の構造と習慣

では、東西南北の方位はどのように影響するのでしょうか?

  • 床の間がある場合: 和室において床の間は、特別な場所であり、掛け軸や生け花などが飾られています。この床の間を背にする席が上座となるのが一般的です。多くの場合、床の間は北側に設けられているため、南向きの席が上座となることが多いでしょう。
  • 庭に面している場合: 美しい庭に面している場合、その庭を眺められる席が上座となります。この場合、庭がどちらの方角にあるかによって、東西南北のどの席が上座になるかは変動します。
  • 建物の構造: 建物の構造によっても、上座の位置は変わります。例えば、建物の中心に位置する部屋の場合、四方に部屋への入り口があるかもしれません。この場合、入り口からの距離だけでなく、部屋の用途や景色などを考慮して上座を判断する必要があります。

重要なのは「相手への敬意」

結局のところ、席次を決める上で最も重要なのは、相手への敬意を示すことです。

  • 役職: 役職が高い人を上座に案内するのが基本ですが、必ずしも絶対ではありません。
  • 年齢: 年長者を敬うことも大切です。
  • 立場: 客人を最優先に考え、最も快適な席に案内するように心がけましょう。
  • 状況: 会食の目的や参加者の関係性などを考慮し、臨機応変に対応することが求められます。

迷ったら尋ねる

どうしても判断に迷う場合は、上司や主催者に確認するのが賢明です。間違った席次に案内してしまうよりも、事前に確認することで、より丁寧な対応をすることができます。

席次は、単なる形式的なものではなく、相手への敬意や配慮を示す重要な要素です。東西南北の方位だけでなく、様々な要素を考慮し、相手にとって最も快適な席に案内できるよう、常に心がけましょう。