インフルエンザ脳症は何度から発症するのでしょうか?

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インフルエンザ脳症は、必ずしも高熱が原因ではありません。徳島大学木戸博氏らの研究によると、高熱が続くことで特定の酵素活性(CPT-II)が低下し、先天性酵素欠損症に似た状態になる患者がいることが発見されました。この酵素活性の低下が脳症発症の一因となる可能性が示唆されています。
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インフルエンザ脳症の発生温度に関する誤解

インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルスによる感染で脳に炎症が起きる重篤な合併症です。この合併症について、誤った認識が世間で広まっています。

高熱が必須条件ではない

一般的に、インフルエンザ脳症は高熱(40度以上)が続くことで発症すると認識されています。しかし、徳島大学木戸博氏らの研究によると、必ずしも高熱が原因ではないことが明らかになりました。

同研究では、高熱が続く患者の中には、特定の酵素(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII:CPT-II)の活性が低下し、先天性酵素欠損症に似た状態になっていることが判明しました。CPT-IIは脂肪酸をエネルギーに変換する酵素で、その低下は脳のエネルギー産生に影響を与えます。

CPT-II活性の低下が脳症を誘発

CPT-II活性の低下が、インフルエンザ脳症発症の一因となる可能性が示唆されています。先天性CPT-II欠損症では、ケイレンや意識障害など、インフルエンザ脳症に似た症状が見られます。

徳島大学の研究では、高熱が続くインフルエンザ患者の中で、CPT-II活性が低下している患者は、脳症の発症リスクが高いことが判明しました。このことから、高熱だけが脳症の原因ではなく、CPT-II活性の低下も重要な因子であると考えられます。

インフルエンザ脳症の予防対策

インフルエンザ脳症を防ぐには、インフルエンザウイルスへの感染対策が重要です。予防接種や手洗い、咳エチケットなどの対策を徹底しましょう。また、発熱が続く場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。

まとめ

インフルエンザ脳症の発症は、高熱が唯一の要因ではありません。CPT-II活性の低下が脳症発症の一因となる可能性があり、高熱がなくても予防対策や早期受診が必要です。