小児科では大人の薬も処方してくれますか？

小児科は大人にも薬を処方してくれる？ 知っておきたい年齢の壁と例外

小児科を受診するのは、主に子どもたち、というイメージが強いですよね。でも、ふと「風邪をひいたけど、かかりつけの小児科で診てもらえないかな？」と考える人もいるかもしれません。原則として、小児科は成長期の子どもを対象とした診療科ですが、大人の薬を処方してくれるケースも存在します。今回は、小児科と年齢、そして薬に関する情報を詳しく見ていきましょう。

年齢の壁：小児科の対象年齢は？

多くの小児科では、診療の対象年齢を設けています。一般的には、15歳くらいを目安としている医療機関が多いでしょう。これは、体の成長や臓器の発達が大人に近づき、大人と同じような薬の量や種類を処方できるようになる時期とされています。つまり、15歳を超えると、内科など他の診療科を受診することが推奨されるケースが多くなります。

しかし、この年齢制限はあくまで目安であり、医療機関によって異なります。中には、成人するまで、あるいはそれ以上でも継続して診察してくれる小児科も存在します。特に、幼い頃から継続して診てきた患者さんの場合、成長過程や病歴を熟知しているため、大人になっても症状によっては適切なアドバイスや薬の処方が可能な場合があります。

例外：こんな場合は小児科で診てもらえる？

例外的に、大人でも小児科で診てもらえるケースがあります。

• 基礎疾患を持っている場合: 小児期から継続して特定の疾患（アレルギー疾患、喘息、先天性の疾患など）を持っている場合、その病状をよく理解している小児科医が継続して診察することで、より適切な治療を受けられることがあります。
• 緊急性の高い症状の場合: かかりつけの小児科医が近くにいて、すぐに診てもらえる状況であれば、緊急性の高い症状（高熱、ひどい咳など）の場合に、一時的に診察してもらえることもあります。ただし、緊急の場合は、救急医療機関を受診することも検討しましょう。
• 医療機関の方針による場合: 上述したように、医療機関の方針によって、成人後も継続して診察してくれる場合があります。事前に確認してみるのが良いでしょう。

薬の処方：大人と子どもの違い

薬の処方は、年齢や体重、症状によって異なります。子どもの場合、体の大きさや臓器の発達段階に合わせて、薬の量や種類を調整する必要があります。小児科医は、子どもの特性を考慮した上で、安全かつ効果的な薬を処方します。

大人になると、代謝能力や薬物に対する反応も変化するため、子どもの頃と同じ薬が必ずしも有効とは限りません。そのため、原則として、大人は内科など他の診療科を受診し、適切な薬を処方してもらう必要があります。

まとめ：まずは確認を！

「大人の薬を小児科で処方してもらえるか」という問いに対する答えは、一概には「YES」とも「NO」とも言えません。大切なのは、まずはかかりつけの小児科医に相談し、年齢や症状、医療機関の方針などを確認することです。

もし、小児科で診てもらえない場合は、内科やその他の専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。ご自身の健康状態や医療機関の情報を把握しておくことで、より安心して医療を受けられるはずです。