曲がり角では徐行しなくてはいけませんか？

曲がり角、本当に徐行「だけ」でいいの？安全運転の落とし穴

道路を運転中、誰もが経験する曲がり角。教習所で「曲がり角は徐行」と習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。しかし、本当に徐行「だけ」していれば安全なのでしょうか？この記事では、曲がり角における運転の注意点について、さらに深く掘り下げて解説します。

まず、冒頭にもあるように、曲がり角での徐行は法的義務ではありません。しかし、道路交通法第70条（安全運転の義務）には、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定められています。つまり、状況によっては徐行が必要となる場合がある、という解釈ができます。

では、「状況」とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか？

• 見通しの悪い曲がり角： 住宅街の狭い道や、山道など、曲がり角の先が見えにくい場合は、徐行どころか一時停止が必要な場合もあります。対向車や歩行者の有無を確認し、安全を確保することが最優先です。
• 歩行者や自転車の通行が多い場所： 通学路や商店街など、歩行者や自転車の通行が多い場所では、徐行だけでなく、いつでも停止できるような速度で進行する必要があります。特に子供やお年寄りは、予測不能な動きをすることがあるため、注意が必要です。
• 悪天候時： 雨や雪などで路面が滑りやすい場合、曲がり角で急な操作をするとスリップする危険性があります。普段よりもさらに速度を落とし、慎重な運転を心がけましょう。
• 標識や標示がある場合： 「徐行」や「最徐行」の標識がある場所はもちろん、横断歩道や自転車横断帯の手前など、注意が必要な場所では、標識や標示に従って適切な速度で運転する必要があります。

このように、曲がり角における運転は、単に「徐行」すれば良いというものではありません。周囲の状況を常に把握し、危険を予測しながら、臨機応変に対応していくことが重要です。

さらに、速度だけでなく、以下の点にも注意しましょう。

• 目視確認： 曲がり角に進入する前に、必ず左右の安全を目視で確認しましょう。ミラーだけでなく、首を振って死角をなくすことが大切です。
• 合図： 曲がる方向指示器（ウインカー）を早めに点灯させ、周囲に自分の意思を伝えましょう。
• 適切なハンドル操作： スムーズで安定したハンドル操作を心がけ、急なハンドル操作は避けましょう。

曲がり角は、事故が発生しやすい場所の一つです。安全運転を心がけ、事故のない快適なドライブを楽しみましょう。この記事が、皆様の安全運転の一助となれば幸いです。