扶養から外れた場合、年金はいくら増える?

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扶養を外れ厚生年金に加入すると、老齢厚生年金が増額されます。加入期間に応じて年金額は上乗せされ、たとえ1年でも月額約500円が上乗せされ生涯続きます。20年間加入すると、月額約9,100円、年間約109,400円増額となります。

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扶養から外れて厚生年金に加入すると、老後の生活に大きな影響を与える年金受給額の増加が期待できます。しかし、「具体的にいくら増えるのか?」という疑問は、多くの方が抱く重要なポイントでしょう。単純に「加入期間に応じて増える」だけでは、自身の将来設計に活かすには不十分です。そこで、本稿では扶養から外れた場合の年金増額について、より詳細に、そして具体的な数値を交えながら解説します。

まず、重要なのは「増額されるのは老齢厚生年金」である点です。国民年金と混同しないように注意が必要です。国民年金は、加入期間に関わらず、一定の金額が支給されます。一方、厚生年金は、加入期間が長くなるほど受給額が増加する仕組みです。扶養から外れて厚生年金に加入することで、この老齢厚生年金の受給額が増えるわけです。

冒頭にも触れましたが、加入期間1年で月額約500円の増加というのは、あくまでも平均的な数値であり、個々のケースによって異なる可能性があります。実際の増額額は、加入時の年齢、賃金、そして加入期間によって変動します。若い年齢から加入すればするほど、将来の年金額への影響は大きくなります。これは、年金計算において「加入期間」と「報酬比例部分」の要素が大きく関わるためです。

報酬比例部分は、加入中に支払った保険料の額に比例して年金額が決定される部分です。高収入であればそれだけ保険料が高くなり、将来の年金額も増加します。逆に低収入であれば保険料も低く、年金額への影響も小さくなります。このため、単純に「20年間加入すると月額約9,100円増額」と示すだけでは、全てのケースを網羅しているとは言えません。

更に、加入時期によっても増額幅は変わってきます。例えば、60歳間近になってから厚生年金に加入した場合と、20歳から加入し続けた場合では、同じ20年間の加入期間であっても、後者の方がはるかに年金額の増加幅は大きくなります。これは、年金制度の仕組み上、若い頃から加入することで、より多くの期間にわたって保険料を積み立て、複利効果のようなものが働くためです。

具体的な増額額を正確に知りたい場合は、日本年金機構のホームページにある「ねんきんネット」を利用するのが最も確実です。自身の加入状況や収入を基に、シミュレーションを行うことで、将来受け取れる年金額を概算できます。また、年金相談窓口に相談することも有効な手段です。専門家に自身の状況を説明することで、より的確なアドバイスを受けられるでしょう。

最後に、扶養から外れて厚生年金に加入することは、老後の生活安定に大きく貢献する可能性を秘めています。しかし、単なる増額額だけでなく、加入によるメリットとデメリットを総合的に考慮し、自身の状況に最適な判断をすることが重要です。年金制度は複雑なため、専門機関の活用を積極的に検討することをお勧めします。 具体的な数値はあくまで目安であり、正確な金額は個々の状況によって異なりますので、必ずご自身で確認するようにしてください。