居酒屋の上座はどこからですか?

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居酒屋の席順、迷いますよね!上座は入口から最も遠い席。そこには一番目上の方を。次に偉い方は入口に近い右側の席へ。接待する側は、お客様の序列に合わせて反対側に座ります。これで完璧な席次で楽しい時間を!

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居酒屋の席順、特に「上座」はどこなのか、迷う経験は誰しもあるのではないでしょうか。一見簡単なようで、実は奥深いこの居酒屋における席順の作法。今回は、単なる「入口から遠い席」という単純な説明を超え、居酒屋の上座に関する様々な視点から紐解いていきましょう。

まず、一般的な認識として、確かに「入口から最も遠い席」が上座とされることが多いです。これは、玄関が家の外側、つまり「外の世界」とつながる場所であることから、最も奥まった席が「内側」、すなわちより尊い場所と位置づけられるという日本古来の空間認識に由来します。座敷の格式高い席や、料亭などでも同様の考え方が適用されます。居酒屋も、その歴史や文化を踏襲していると言えるでしょう。

しかし、居酒屋における上座は、必ずしも「入口から最も遠い席」とは限らない、という点に注意が必要です。それは、居酒屋の形態や、その場の状況、そして参加者の関係性によって大きく変化するからです。

例えば、カウンター席だけの小さな居酒屋の場合、入口に近い席が上座になることもあります。これは、店主との距離が近く、コミュニケーションが取りやすいという点で、むしろ「優遇された席」と解釈できるからです。店主との会話や、料理の提供、出来立ての料理を味わえるという特権を享受できるという意味で、特別な位置づけになるのです。

また、個室のある居酒屋では、個室自体が特別な空間として扱われ、個室内の席順が新たに問題となります。個室の場合、入口から最も遠い席が上座となることが多いですが、個室の広さやレイアウトによっては、窓際や、最も見晴らしの良い席が上座とされる場合もあります。

さらに重要なのは、参加者の関係性です。上司と部下、お客様と接待する側など、参加者の間にある力関係や敬意の度合いが、席順を決める上で最も重要な要素となります。一般的な作法としては、目上の方を上座に迎え、次に目上の方をその右隣に、といったように、序列に応じて席を割り振ります。接待する側は、お客様の序列に合わせて反対側に座ることで、お客様への配慮を示すことになります。

しかし、これはあくまでも「一般的な作法」であり、必ずしも厳格に守られるべきものではありません。親しい友人同士であれば、席順にこだわる必要はなく、気兼ねなく談笑できる席を選べば良いでしょう。重要なのは、参加者全員が快適に過ごせるように、配慮することです。

結局のところ、居酒屋における「上座」は、絶対的なルールで定められているものではなく、状況に応じて柔軟に判断すべきものなのです。上記を踏まえ、その場の雰囲気や参加者の関係性をよく観察し、相手への配慮を忘れずに、気持ちの良い席順を決めましょう。そうすることで、より楽しい、そして思い出深い居酒屋のひとときを過ごすことができるはずです。