風営法の対象となる店は？

あなたの店は大丈夫？風営法の網にかかる飲食店の落とし穴

「うちの店はただの飲食店だから風営法は関係ない」と思っていませんか？ 実は、風営法は単にキャバレーやスナックだけを対象とした法律ではありません。飲食を提供するお店でも、思わぬ形で規制の対象となる可能性があるのです。知らず知らずのうちに法律に違反してしまわないよう、風営法の対象となる飲食店の落とし穴について見ていきましょう。

風営法とは何か？

風営法（風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律）は、善良な風俗と清浄な風俗環境を保持し、青少年の健全な育成に資することを目的としています。この法律は、風俗営業だけでなく、特定の条件下における飲食店の営業形態も規制対象としています。

飲食店のどこが風営法に引っかかるのか？

ポイントは「客の遊興を目的とした接待」の有無です。

単に飲食を提供するだけでなく、客を楽しませるためのサービスや設備を提供している場合、風営法の規制対象となる可能性があります。 具体的な例としては、以下のようなケースが挙げられます。

• ホストクラブ・キャバクラのような営業形態： これは言うまでもなく、風営法の対象となります。従業員が客の隣に座って接待をしたり、特別なサービスを提供したりする行為は、風営法で規制される「接待」に該当します。
• 特定の時間帯にショーやイベントを行う飲食店： 生演奏、ダンス、マジックショーなど、客を楽しませるためのイベントを定期的に行う場合、遊興を目的とした営業とみなされる可能性があります。
• ゲーム機やカラオケを設置し、客に遊興させる飲食店： 客が自由に利用できるゲーム機やカラオケを設置し、客の遊興を目的とした営業を行う場合、風営法の規制対象となる可能性があります。
• 特定の客層に特化したコンカフェやメイドカフェ： 特定の客層（例えばアニメファンやアイドルファン）をターゲットにしたコンセプトカフェで、従業員が客を楽しませるための特別なサービス（例えば、コスプレをしての接客や、特別な会話を楽しむなど）を提供する場合、風営法の規制対象となる可能性があります。
• 客に特別なサービスを提供するバー： 例えば、客に特別なカクテルを作ったり、客の好みに合わせた音楽をかけたりするなど、客に特別なサービスを提供することで、客の遊興を目的とした営業とみなされる可能性があります。

重要な判断基準：

• 「接待」の定義： 風営法における「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法で、客をもてなす行為を指します。具体的には、客の隣に座って会話をしたり、歌やダンスを披露したり、特別なサービスを提供したりする行為などが該当します。
• 「遊興」の定義： 客を楽しませること、または娯楽を提供することを指します。ショーを見せること、ゲームをさせること、特別なサービスを提供することなどが該当します。

風営法に違反するとどうなる？

風営法に違反した場合、営業停止命令、罰金、懲役などの厳しい罰則が科せられる可能性があります。 また、摘発されることで、社会的信用を失い、事業の継続が困難になることも考えられます。

もし不安を感じたら？

自分の店が風営法の対象となるかどうか判断に迷う場合は、必ず専門家（行政書士、弁護士など）に相談することをおすすめします。 専門家は、個別の状況を詳しく分析し、適切なアドバイスを提供してくれます。 また、管轄の警察署に相談することも可能です。

風営法は複雑で理解しにくい法律ですが、しっかりと理解し、遵守することで、安心して営業を続けることができます。 曖昧な点があれば、専門家への相談を躊躇せず、適切な対応を心がけましょう。