自然と歴史が形成する世界遺産 フォンニャ=ケバン国立公園
2003年にユネスコ世界遺産に登録された「フォンニャ=ケバン国立公園」。アクセスが多少不便のため、上級者向けの観光地となりますが、近年はフエやダナンといった主要の観光都市からもツアーが出るようになったため、外国人にも注目されるようになりました。そこで、今回は「フォンニャ=ケバン国立公園」に行く場合の基本情報をご紹介します。
フォンニャケバンまではバスか車のチャーターで行くのがいいでしょう。バスの場合はツアーに参加することになります。ただし、ダナンから6時間、フエから3時間と距離は長く、日帰りを希望ならフエからとなります。ダナンからの場合は隣町のドンホイという町で一泊することになります。
ダナン市街地のツアーデスクはもちろん、最近は日系旅行会社もオプショナルツアーで扱うようになってきたので、ツアーに申し込むこと自体はそれほど苦労はしないはずです。
フエからは日帰りで行くことができますが、日本人旅行者の間ではフエよりもホイアンの方が人気があるため、多くの方はフエには立ち寄りません。ですので、ダナン+ホイアン→ドンホイ→フォンニャケバン→ダナンというルートが一般的です。
フォンニャケバンやドンホイのあるクアンビン省はかなりの田舎町ですが、それでもドンホイはベトナム人にとっては観光地としても知られていますし、日本人が満足できる中級ホテルもいくつかあります。また、中北部の郷土料理や人の気配が少ない海水浴場、素朴な市場など、ベトナムらしい見どころもあるので、単なる中継地点ではなく、しっかりとドンホイの町も観光しておきましょう。
ドンホイからフォンニャケバンまでは車で1時間程度です。フォンニャケバンは全体が国立公園に指定されていて、8万6000ヘクタールもの広大な面積を持っています。568種の植物と876種の動物を野生で見ることができますが、これはまだ確認できているだけで、さらに数百の動物や希少種がいるとも言われています。
フォンニャケバンには現時点で把握しているだけでも大小300以上の洞窟があるとされていますが、その内日本人観光客に支持されているのは「フォンニャ洞窟」と「天国の洞窟(パラダイスケイブ)」の2つ。天国の洞窟は山中から中に入り、フォンニャ洞窟はボートに乗って中に入ります。
どちらも洞窟内部は似たような構造。また、ライトアップされていて、鍾乳石は非常に幻想的です。1日かけて2つの洞窟を回ることもできますので、フォンニャ洞窟と天国の洞窟に絞れば、観光自体は1日で終了。その後ドンホイに宿泊、もしくはフエかダナンに戻る旅程となります。
個人で自力で行くのは正直厳しめ。ドンホイからフォンニャケバンまで道案内がありませんし、タクシーをチャーターするにしても、フォンニャ洞窟と天国の洞窟共に入り口と出口が異なりますので、タクシーと落ち合うのが難しいです。2019年時点ではフォンニャケバンはツアーで行くものと考えておくといいでしょう。ただ、旅行者の中には「ハロン湾を凌ぐ最大の世界遺産」、「まるで宇宙みたい」と評価は非常に高いです。是非観光してみてください。