世界遺産のフォンニャ=ケバン国立公園
ベトナム中部のクアンビン省にあるフォンニャ=ケバン国立公園には、世界で最も美しいとされる洞窟があります。その美しさ、規模の大きさなどから2003年には、ベトナムで5番目となる世界遺産にも登録されています。日本ではまだそれほど知られていないこの素晴らしい自然の遺産について、行き方やみどころなどをまとめてみました。
フォンニャ=ケバン国立公園は、約86,000haという広大な面積を占める国立公園で、2003年に世界遺産に登録されています。
4億年前にできたと言われるカルスト地形が作り出す幻想的な洞窟の他に、豊かな原生林とそこに住む希少な動植物など多くの魅力がある国立公園です。
ベトナム中部、ラオスとの国境付近に広がるフォンニャ=ケバン国立公園のカルスト地形は、約4億年前に形成されたと言われています。
4億年前といえば、恐竜が生まれる時代よりも遥か昔、古生代のオルドビス紀にあたり、ようやく初期の植物や節足動物が陸に現れ始めたような時代です。
そんな時代から築き上げられたと想像するだけで、地球のロマンを感じることができますね。
人間の歴史の中にも、フォンニャ=ケバン国立公園の洞窟は登場します。
9, 10世紀には、カンボジアやベトナムに住むチャム族の人々が仏教の聖域として利用していたり、またベトナム戦争中は、病院や武器庫として利用されていたためアメリカ軍の爆撃の標的になっていたそうです。
フォンニャ=ケバン国立公園の持つ約86,000haの広大な敷地のほとんどは原生林で、そこには多種多様な動植物が生息しています。
その中には、世界やベトナムのレッドブックに入っている希少種も多いため、洞窟だけではなく周囲の原生林とそこに住む動植物の価値も世界遺産に登録された所以の一つとなっています。
珍しい昆虫や鳥など、洞窟までの道のりで様々な動植物に出会えることでしょう。